2009年01月31日

気負わなくてもいいけれど

 こんばんは、裏部長です。

 今週、札幌支部での稽古はありませんでした。大学が定期試験をおこなうこの時期はどうしても場所が確保できず、やむなく長いお休みをいただくわけですが、ただそんな季節にあっても、途絶えることなくつづけているものがあります。
 
 そうです。道新文化センターでやっている古武術の講座です。二十九日の木曜日もやってきました。

 稽古の内容も中目録へはいってきたためか、すこしづつ複雑さを増し、みなさんもう汗だくになって動いていました。ひとつの部屋に、二十名以上ものひとがいれば、そりゃ熱気で暑くもなりますよね。

 この日の帰り、いっしょになったある受講生の方から「ブログ拝見してますよ」と声をかけられました。やはり興味のあるひとはそうしてしまうようで、インターネットで空心館とか師匠の名前とかを検索してここへ辿りついたようです。

 こういったお声はとても嬉しいものです。どんな小さな点でも、そこに興味をもってもらって、自主的にここの文章も読んでいただけるというのは、いっしょに汗を流している身としてとても光栄なことだと思います。

 ただ。これは表現を変えると“常に見られている”ということにほかなりませんから、最終的にはやっぱり、

下手なことは書けない

 ということになってしまいます。


 このブログを通して、すこしでも多くの方が武術というものへ思いを馳せられますように。

 これが裏部長の本音です。
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2009年01月23日

雨の金曜日

 こんばんは、裏部長です。

 
 みなさんのお住みの地域では、どんな天候になっていますか。晴れていますか、それとも曇っていますか。

 こちら札幌はきょう、朝から雨でした。一月だというのに、雪ではなく雨でした。

 しかもね、これがただの雨じゃないんだなあ。風をともなうわけです。つまり風雨、いや暴風雨と化してしまったのです。

 雨になるくらいですから、そりゃ当然気温は低くないわけですけども、だからといって、雨といっしょに風にまかれりゃ、誰だって寒くなりますわね。

 斯くいうわたしも、すっかり冷えきったからだで大学に到着しました。談話室で無料のお茶をのんでもさっぱり温まりません。

 こんな夜は稽古をするに限ります。


 というわけで、きょうは空手の稽古でした。ただ残念なことに、参加者はわたしと道新文化センターのMさんだけでしたので、いくらかトークをしたのち、体道の復習をするだけで終わってしまいました。

 もちろんだからといって、意味のない稽古だったとは思っておりませんで、MさんはMさんで日本伝天心古流拳法居取之位十二本をしっかり復習できたし、わたしはわたしで、同流の捕手術を、女性であるMさん相手にぞんぶんに稽古できましたから、これはこれで非常に貴重な体験であったといえます。

 ……セクハラだ、とかいわないでくださいよ。

 変なところは触っていませんから。本当ですから。


 過去に教わった技も、こうしてひさしぶりに稽古してみると、見えてくるものが違いますね。発見だとか改善点だとか、そこまで大げさなものでなくても、「あっ、この技ってこういうことだったんだ」と、あらためて深く理解できる瞬間が、道新文化センターでお手伝いをするなかで増えてきたような気がします。

 もっと鍛えて、もっと稽古を重ねて、そんな瞬間をもっともっと味わってみたいものです。


 ちなみに。

 今月の札幌支部の稽古は本日が最後となります。来週から大学では試験がスタートするそうで、二月になるまで教室は使用できません。

 いくら寒いからといって、なにもしないでいるとからだは本当にすぐ鈍ってしまうので、この一週間きちんと体調を整えて、来月に備えます。

 
 そのあいだもここへはちゃんと顔をだしますからね。


 裏部長でした。
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2009年01月20日

腰に悩む

 どうも腰がねえ……あの瞬間に、もうすこしこう思いどおりに動かせたらなあ……


 おっと失礼。ついつい先刻の稽古の印象を引きずってしまいました。

 みなさん、こんばんは。裏部長でございます。きょうは朝から大雪でたいへんな有様でした。降雪で視界は閉ざされるし、歩道は雪山で埋め尽くされるし、気温はさほど低くないのですが、やっぱりここまで荒れられると堪えてしまいます。雪国育ちもなにも関係ありません。

 そんななかでの本日の稽古。参加は韓国人留学生のCくんと、道新文化センターでいっしょのMさんのみという、札幌支部としては当たり前といってもよいほどの顔ぶれでありましたが、はてさて、あれが雪のための人数であったのかどうか……。

 ま、深いことは考えずにきょうの稽古を振りかえってみましょう。


 基本は軽めに受けまで。ここからは体道へ移って、わたしとCくんとで、浅山一伝流の復習をやりました。ひさしぶりにやるとこのあたりの技は厳しく感じます。一気にからだの芯まで暖まってしまいました。

 この最中にMさんが到着されたので、復習をいったん中断してまた空手にもどります。移動稽古で、追い突き、逆突き、追い突き・逆突き、前蹴り・逆突き、横蹴り。

 で、ここから体道再開です。わたしはCくんと浅山の残り部分をやり、それが終わったら今度はわたしの復習で、日本伝天心古流拳法捕手術の稽古。なんだか本当に、ひさしぶりに体道の稽古をやったなあという印象がありました。

 最近ではどうしても、本来の体道稽古日である木曜日に道新文化センターへ行ってしまうため、ここでの稽古ができていませんでした。
 コンクリートの床でとる受身は、なんだか肉体に気合をいれてくれるかのようでしたね。


 こちらの復習が終わり、Mさんたちの型の稽古も一段落したところで、再度空手へもどります。

 ラストは約束組手です。ローテーション方式で、中段追い突きをやりました。

 わたしにとっての収穫、というか悩みの種は「」です。これまでに何度となく向きあってきた腰の動きが、いまもまた裏部長で惑わせているのです。

 まず右で一本目を突きます。このあたりはさほど悩んでいないのですが、その次です。相手を追いながら二本目をだします。
 ここの腰です。つまり左腰ですね。ここの動きに戸惑ってしまうのです。

 いままでは散散回転ということをやり、いかに軸を崩さず、ぶれずに回転して相手へ向き直れるかという点を意識して稽古してきましたが、それがここ数箇月、回転させるのではない、ということになってきて、まず最初の苦悩が訪れました。

 どんなに動きの速度をあげて、軸のブレ幅を少なくしても、回転して突いている限り、どうしても捌かれやすくなってしまう。また勢いというか攻撃力そのものが、回転にもっていかれて、全部を全部そのまま相手へ伝えることができない。
 これらの点を解消するものとして、今度は腰を回さず折るというか折れるというか、そういった話をするようになりました。あれは昨年の後半のことでしたかね。

 これはいいんです。あとは馴れればいいだけの話ですから。ただ稽古を重ねて、その動きをからだに叩きこんでゆけばいいのですから。

 ただ。いまは、その最初の一本じゃないんですよ。そのあとの、いわば二本目にチェンジする連結部分に苦しんでいるのです。


 すべての答えは「腰」にありそうです。問題を解くカギも、その道しるべも、すべては「腰」が握っているようです。

 
 世のなかには腰に痛みを抱えて悩んでいるひとは大勢いますが、その片隅にはわたしみたいに、違った意味で“腰を患っている”人間がたくさんいるのでしょうね。

 健康的にも武術的にも、だいじに鍛えて、うまく使える部位にしたいものです。


 裏部長でした。
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2009年01月13日

平成二十一年稽古始め

 新年あけましておめでとうございます。

 裏部長でございます。


 昨年の大晦日あたりはわたくし、生まれてはじめてのインフルエンザにかかってしまって、うんうん唸りながらの年越しとなりましたが、もう体調はよくなっているので、ご安心ください。

 その証拠に、本日より再開された、というより始動した札幌支部の稽古はじめにも参加してきました。こういう稽古のことを基本的には「鏡開き」というのでしょうが、うちは場所も大学の教室だし、刀で割るお餅もないので、ま、ふつうの稽古をしてきたと思ってください。

 基本をひと通りやり、移動をやり、型をやり、後半はおのおの別メニューでいろいろやって、終わったのが午後八時二十分ころ。たっぷり二時間以上やったことになりますね。

 参加したのは、韓国人留学生のC君と来訪してくれたHさん、部長、道新文化センターで習っているMさんといったメンバーで、K先生は会議のため、稽古が終わったころにすっかり疲れきった顔をだしてくれたのみでした。本当にたいへんなお仕事だと思います。


 裏部長、今年の目標は……まず、空手で二段になることでしょうか。具体的に数値をかかげて目標にできることはそれくらいでしょう。いま集中的に稽古している三つの型をとことん吸収して、二段をいただいても恥ずかしくない状態まで仕上げるのが課題です。

 あとはもう、健康でいることです。なんとまあ爺くさい話で申しわけありませんが、どんなに稽古したくても、上達する可能性があっても、その場に立ってからだを動かせなければなんの意味もありません。万全の体調と、充実した精神力で、できるだけ多くの稽古をおこなうことが今年最大の目標になるでしょう。

 あ、そうそう。このブログへ去年以上に多くやってくることも今年の目標に加えておきます。

 更新不精からの脱却!! まずはここからはじめてみます。


 栃木のみなさん、他の支部のみなさん、新年いかがお過ごしでしょうか。高熱をだして唸っているというようなことはないでしょうか。

 ちなみに、わたしはインフルエンザの予防接種を十一月に受けておりました。でもあの有様です。かかりつけの病院の医師はびっくりするくらいの笑顔でこういいましたね。

予防接種しても、かかるひとはかかるし、してなくてもかからないひとはかからないのよ


 ……じゃあ、なんのための注射なのよ!


 みなさんもお気をつけください



 2009年もまた、みなさんにとって良い年でありますように。

 裏部長、今年一発目の更新でございました。
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2008年12月17日

ひとりぼっちの稽古納め…

 こんばんは、裏部長です。

 
 昨夜は午後五時すぎに大学着。教室のまえへ来たときにちょうど授業終了のチャイムが鳴りましたので、あれは五時五十分ころだったでしょうか。

 廊下を歩いてくる途中で、教室の灯りがついていないことを確認していたので、わたしは「おっ、ひさしぶりに一番乗りかな」とうれしく思ってそのドアノブへ手をかけました。

 と、どういうわけだが、扉があきません。どちらへドアノブをまわそうが、押そうが引こうが、びくともしないのです。

 さあ困りました。あいにく師匠もK先生も会議のため、こちらから電話をいれることはできず、それにわたしはもう学生ではありませんから、学生証とひきかえに教室の鍵を借りてくるということもできません。

 途方にくれました。こういうときに限って、六時をすぎても誰もやってきません。


 えっ? それでどうなったかって?


 結局ね、六時すこしすぎに巡回の警備員さんにあけてもらいました。なんでも毎日そこの鍵をあける担当の警備員さんがお休みだというので、この時間帯になるまで施錠していたというのです。

 わたしはこころのなかで「だったら違うひとがあけなさいよ」とつっこみをいれつつも、稽古納めが廊下でおこなわれずに済んだことにほっととして、ひとりで椅子や机を片づけはじめました。


 その後、ON君がくるMさんがくる部長がくるS呂君がくるといった塩梅で、最終的には師匠らもいれますと、全部で七名による稽古納めをすることができました(ひとりぼっちの稽古納め…にならなくてよかった!)。
 ひさしぶりに教室もフルでつかって、ひろびろとした動きでからだを操ることができました。


 すっかり書きこんでいなかったので今年のわたしのなかにおける変化ということについては、おそらくほとんどお伝えしていなかったように記憶しますが、まあ変化といっても、わたしのものなんか諸先輩方に比べたらもう些細も些細、ミクロンの世界のびみょうな変化にすぎません。

 しいて言葉にすれば、やはり型へ向かうときの姿勢や感覚が変わってきたことでしょう。これまでであったら型をするとき、動作を間違えないようにしようとか、前回の稽古であたえられた注意点を守って動こうととか、そういう意識的な思考のもとにからだを操っていましたが、最近では型をするとなると、感覚のどこかで、なんとなくスウィッチのようなものがはいって、自然とその型をするからだになるような気がします

 あれはもしかするとただの錯覚かもしれませんが、あきらかに感覚が変わるような気がするのです。その証拠に、動きだしてみると、たとえばその数分まえまでやっていた約束組手のときには感じなかった節々の締まり、各筋肉の緊張感、姿勢といったものがごく自然と形になってくれます。

 また加えて、最近は型をやったあとの呼吸の乱れがおおきくなりましたね。真剣にやると、そのあとすぐにちがう型を、ということがだいぶしんどくなってきました。
 まあ、単なる老化かもしれませんが、もし良いほうに解釈するならば、動作にあわせて呼吸も意識できるようになってきたということではないでしょうか。

 
 あと最近、筋肉痛が背中にでるようになりました。腹筋にだるさや重みの残ることはほとんどなく、腰から背中にかけて、なんというかこう張りのような感覚を帯びることがおおくなりましたね。
 これはさて、どういった変化の兆候なのでしょうか。


 組手などに関しては、そりゃもう無数といっていいほどの発見や工夫点がありますが、最近はきちんと拳の握りこみをするということを考えています。

 わたしはどうも栃木のY師範代に憧れているせいか、相手がからだの中心を守って突かせないように防御したりすると、とっさに拳をひらいて打ってしまうのですが、これだとせっかくの突進力があまり有効につかえません。それにわたしはまだそこまでのレヴェルに達していませんから、やはりいまは基本に忠実に、きちんと突きをだせるように動くべきなのです。

 だからそう考えると、基本の其場突きから受けから、すべての動作のなかで手の締めを意識するようになりますね。また逆にそうやって意識してすべての動きをやってみると、自分がこれまでいかにメリハリのない稽古をしてきたかというのが、自分でもいやになるくらいわかってきます。
 すべての根源は基本稽古にあり。やっぱり最後は、最初にもどってしまうようです。


 まあざっと振りかえるとこんな感じです。裏部長はあまり記憶力がたしかでないため、すっぽりと抜け落ちているものも、たぶん山のようにあると思いますが、それはおいおい、憶いだしたときに書きにくるつもりです。

 
 札幌はまだ、一面の雪景色、にはなっておりません。温暖化のせいなのか、今年はほとんど根雪にならず、いまも路面があちこちむきだしになって、一見しただけでは冬なのか秋なのかよくわからない風景が広がっています。気温も、北国育ちにはかなりすごしやすいものとなっております。

 そんなあたたかい冬に、これほど早く稽古納めをするのはなんだか残念な気もしないではありませんが、大学でやる稽古だけが武術の稽古ではありませんからね。来年の鏡開きの日、鈍っていないからだでそこへ参加できるように、冬ぶとりに気をつけて、あと二週間足らずの毎日をすごしてゆくつもりです。


 ではでは。またやって参ります。

 すっかり筆不精になった裏部長でした。
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2008年12月16日

納めてきました!

 こんばんは。お久しぶりです。

 裏部長でございます。


 長らく書きこみをいたしませんで、失礼をいたしました。べつにさほど忙しいということもなく、これまでどおりの生活をしていながら、ついつい怠け癖を発動させてしまって、一気に数箇月間もご無沙汰をしてしまいました。

 栃木のみなさま、また他の支部のみなさんも、お元気でおすごしでしょうか。巷では不景気だインフルエンザだリーマンだ麻生だとなにかと騒がしい毎日がつづいておりますが、へこたれず稽古に邁進されているでしょうか。


 こちら札幌支部は、なんと早くもきょうが今年の稽古納め。師匠はもちろん、K先生、黒帯三人衆も参加しての、すこしだけ華やかな稽古になりました。やはり稽古は人数がおおいに越したことはありません。


 この模様もふくめて、今年の稽古の総浚いをあす、あらためて書きに参ります。
 一年間ですもの。どうしたって、整理するのにひと晩くらいはかかってしまいます。


 あした、ふたたび参ります。
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2008年09月13日

ヤッパリ武術ハムツカシイネ!

                  001.jpg

 
 こんばんは、裏部長です。

 昨夜の稽古は師匠不在でございまして、わたしが教室へ着いたころにはK先生おひとりのみ(冒頭の画像がそのひとコマです)。あとで部長が来てくれましたが、それとほとんど同時に今度はK先生が早退されてしまったので、基本的には“ふたりっきりの稽古”だったといえるでしょう。

 札幌支部としてはなんら珍しいことではありません。


 前半、K先生とは体道をやりました。来月からは道新文化センターでの講習もはじまるし、大学の授業では浅山一伝流も教えなければならない。その都度師匠がメインに教授して、K先生はその助手役をやっていられれば楽に済むんですけど、ときにはね、師匠がきのうの稽古のように不在になってしまうということもあるわけで、そういった場合にはどうしたってK先生が生徒たちに技を教えなければなりません。これ存外たいへんなお役目でございまして、へたなこといえませんから、あとあと師匠が手直ししなければならないような教え方ではいけないのです。
 このあたり、K先生のプレッシャーたるや凄まじいものがあります。

 そんなわけで、昨夜はとにかく復習! 復習! ばかりの稽古でした。意外にね、ひさしぶりにやってみると「アレ、この技こんな感じでよかったっけ?」ということにもなってきて、なかなかスムースに進まないものです。貴重な一時間ではありました。

                 002.jpg

 後半は部長とさしむかいで、空手のの稽古です。かれは今あらたに「二十四歩」という型を習って稽古中ですが、その前段階の「鷺牌初段」と「安南硬」をよく忘れる。ポッと抜けてしまうように忘れてしまうのですね。かれ、けっこうそういうところがあります。

 ですから、きのうはまず「二十四歩」の確認をしてから「鷺牌初段」、そして「安南硬」の復習をしました。かれには稽古後、じぶんの型ノートをつけるよう指示しました。そういうノートに記録しておけば、もし失念してしまってもおもいだすことができるだろう。このおれみたいに、と……。

 って、結局わたしもノートを盗み見ながらの復習でした。
 師匠、面目ない!


 栃木の師範ならびにTくんへ。

 例のDVD、K先生より預かりまして、昨晩みました。いやあどうも立派な作りでございまして、いささか驚いてしまいました。ああいった形態になっているとは想像しておりませんでした。

 Tくんの演武は、あの全員で動いているシーン以外、横移動の勇ましい立ち姿があるくらいで、ほかにはみられませんでしたが、いやあなかなかどうして、やっぱりとんだ貫禄です。K先生もびっくりしていましたよ。あの堂堂とした恰幅の青年はだれなんだ、ってね。
 いくらその流儀を稽古しているからといって、あの場の一員に加えてもらったということがあなたの稽古への姿勢をあらわしていますよ。いい加減にやっている人間を、よき指導者は選んでくれませんから。

 ただ、です。

 やっぱり一番に恰好よかったのは師範です。弟子が師匠のことを褒めたり、すごい! なんていったりするのは甚だ失礼なことではありますが、それでもあの姿はカッコよかったなあ。

 DVDのなかでは技を一本一本、ナレーションつきで解説してゆくわけですが、後半からいきなり師範が登場します。みていて、こっちでついつい拍手をしそうになりました。

 技の解説ですから、たまに映像が静止したりします。そのときの師範の姿がまたいいんだなあ。なんともみていて惚れ惚れするような立ち姿なのです。

 あの、後ろから鞘をああされて、下に抜いて振りかえって、という技がありましたね。あのときの静止画は水墨画にして部屋に飾っておきたいくらいでした
 全身にムダな力みがなく、その場その場に適した構えが、その瞬間その瞬間のなかで無理なく表現されている。だからこそあれだけ自然で、あれだけ「カッコいい!!」と思える姿があらわれてくるのでしょう。

 よいものを見せていただきました。ありがとうございました。

 
 きょうから三連休ですね。札幌は、遅れてきた残暑ですっかり夏気分です。
 半袖はそろそろタンスに仕舞いたいんですけどねえ……。


 あーあ、はやく秋にならないかしら。 
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2008年09月09日

残暑はどこざんしょ?

 久しぶりにきて、書いたお題がダジャレです。

 ご無沙汰をしております。札幌支部の裏部長でございます。みなさん、この夏の暑さにも負けず、この初秋の残暑にも負けず、お元気でお暮らしでしょうか。世のなかはすっかり北京だ、相撲部屋だ、総理大臣だと騒いでおりますが、札幌支部は平穏無事に、日日の生活をおくっております。

 武術を修行する道場としてこれは良いことなのか悪いことなのか、八月いっぱい、札幌支部はお休みをしておりまして、今月にはいってからようやくの稽古再開となって、今週はきょうがその一回目。教室へいってみれば参加者はわたしと師匠のみであったため、きょうは体道のみをやって早早にきりあげました。

 栃木のTくん、コメントありがとうございます。DVDの件に関してはきょう、師匠よりお話をうかがいましたが、まだ拝見してはいません。可能であればいつか、この目で見てみたいと願っております。

 しかし、最近のあなたのコメントはみょうに落ちついてきましたね。以前のような荒荒しさというか、型にはまらない縦横無尽な文体はすっかり鳴りをひそめて、ちゃっかり大人な文章になってしまっているではありませんか。

 大学へ通って、すこし世間を知っちゃったかな……?

 学び、成長することは大切ですが、人間はどこかしら頑なな部分がないと、最終的には他者からの影響ばかりの、なんともつまらん生き物になってしまいます。
 つとめて生意気になる必要はありませんが、Tくんにはいつまでも、元気ハツラツとした若者でいてほしいですね。

 
 さて、これもまた本日師匠より教えられたのですが、あの『秘伝』のHPで、いつかの道場ガイドがインターネット版としてアップされているそうです。むろん、空心館のものもあります。
 空心館に関係のない人で、いまこのページを見ている方があれば、是非そちらのほうもお読みになってください。


 明日の札幌の予想最高気温は二十八度。遅れてきた残暑、という、なんとも厄介な一日が待っております。

 暑さ寒さも彼岸まで。あの言葉を信じて、どうにか乗りきりたいと思います。

 また書きにきますね〜
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2008年07月12日

ま、そういうことです。

 こんばんは、裏部長です。

 昨日のわたしの書き込みに、師匠がコメントを書かれておりましたが、いやはや裏部長もとんだ記憶ちがいで、お恥ずかしいことこの上ない。第一、師匠は学校の先生なのに、九月に名古屋へ行けるわけがないんです。新学期早早、出張でもない限り、そんなことはありえないのです。
 師匠が名古屋へゆくのは七月です。みなさんはお間違いのないように。

 あとは……ま、そういうことです。股関節を折ればいいんです。

 わかるひとだけわかってください。

posted by 札幌支部 at 19:20 | Comment(5) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2008年07月11日

基本的には変わらない?

 追い突きをするときに、みなさんはどんなことを考えて稽古していますか。
 
 指導する側の人間にとってはもちろんのこと、われわれ一般の修行者にとって、はじめに習うことは、まず足を出すことですね。空手の突きそのものに対してイメージが湧かないうちは、どうしても足を出しながら突いてしまうから、締まりのない、ただただ不安定なだけの追い突きになってしまう。これを直すために、まずは足を出しましょうと、突くがわの足をおおきく踏み出して、下半身の状態を安定させてから、その前足のうえへ重心を移動させて、それから腰をきって拳を出しましょうと、大体こんな感じがごくごく当たり前の流れかとおもいます。

 これまで、わたしたちも同様の指導を受けてきたので、こういった動きはある程度できているわけです。だって約束組手で追い突きをふつうにやっているのですから、これくらいの基本はできていないとおかしい。云わずもがな、というやつです。

 しかし。この“当たり前の動き”がいま、この北の地で少しづつ変化を始めているのです。


 なーんて、なんとまあ大袈裟な書き方なのでしょう!いくら久しぶりだからといって、この文章は大仰すぎるぞー!どうなってんだ、裏部長ー!と、怒らないで読んでやってください。

 あれは先月のことでしたかね。師匠とK先生とわたしとで道新文化センターへ通っていたころ、師匠がふいに、「これまで指導してきた追い突きのやり方は本格ではなかった」みたいな発見をされました。そのきっかけは、わたしの記憶が正しければ、師匠が顧問のようなかたちで助力している札幌大学の合気武道部の稽古。いわゆる合気あげの稽古を見ていて、ハタと膝をうつ瞬間があったというのです。

 たとえば両手をつかまれた状態で合気あげをするときに、その稽古の場で何人もの部員たちが「あがらない、あがらない」と悩んでいます。その原因はあきらかで、あげる手にからだがついていっていないのです。もしくはその反対で、胴体そのものは前へ前へゆこうとしているのに手が残ってしまっている。
 つまりは、全身をひとつにして使えていないということです。師匠はその稽古風景をはたから見ていて、やはり崩しという面から云っても、手も足も腰も軸も、すべてが一瞬にして同時に移動しなければ効果は生まれないのだなあと、ふと、そんな当たり前なことに辿りついたのです。

 これを念頭において、きょうの冒頭に書いた追い突きの流れを考えてみると、たしかに最終的には軸はきちんと移動しているものの、さきに出てゆくのは足で、腰や上半身はそのあとから、まるで足を追いかけるように出てゆきますね。上と下では、前方へ移動し終わるまでにタイムラグがあるわけです。

 これが合気あげであれば、技は成立していないはずです。向こうの理屈を応用すれば、足を出した時点ですでに軸もまえへ出ていなければいけないはず。一で足をだし、二で腰を移動させ、三で突くのではなく、一で相手の懐まで移動し、二で突くくらいのつもりでなければ、到底突きは本来の威力を発揮しません。

 またそのあとの動作も要検討です。こちらの黒帯連中は、今しきりと「腰をまわさない突き」に躍起となっておりますが、追い突きを一本突いたあとの二本目三本目、もしくはそのあとの追撃を考えた場合に、もはや腰をまわして突く追い突きでは不十分。腰をまわさず、腰を折る動きをもちいて突きを出してゆかなくては、その後の攻防に発展はしてゆかないのです。


 なんか一気に書いちゃいましたけど、イメージ湧きましたかね。

 この話のつらいところは、なかなか云いたいことが伝わらない点と、あとは、結局トータルで考えてみたときに、言葉にするとこれまでとほとんど変わらないという、なんだかよくわからない点にあります。

 腰をまわさない、とか、足をだすと同時に軸も移動させる、とかはそれなりに新しいのですが、突く瞬間の腰については、基本的にこれまで教わってきたことと変わりません。つまり、ぐっと腰をおとして、突く瞬間にサッと腰をもどす、出しっぱなしにしない。栃木ではわたしも、棟梁ことTHさんに「きちんと腰をおとして突け」と指導していただきましたが、あれと変わりません。ごくごく普通の、かーなーり基本的なことなのです。

 でもね、すべてがすべてこれまでどおりかというとそうじゃないんです。
 追い突きをつく、その突きの瞬間に突いたほうの腰をもどす。
 このとき、反対側の腰はどうなっていますか。右で突いた場合は左腰です。
 あなたの左腰は、引っ込めた右腰とは反対に、前へ出ていませんか。回転の要領で、自然と捻ってしまっていませんか。
 ここに「腰をまわさない突き」の要点が隠されているのです。


 きょうはここまで。まだわたしもその稽古を始めたばかりで、すっかり理解しているわけではないし、あんまり詳しいことは書けないので、今後いくらか進展があったらまたご報告いたします。九月には師範も師匠も、名古屋へいってM田先輩ともお会いになるそうなので、上記のことについてはそのときに披露されるかもしれませんね。

 九月かあ。暑いんだろうなあ、まだ。

 この夏はちょっと気張って、稽古でダイエットをしようと目論んでいる裏部長でした。

 また書きに来ます。
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2008年07月10日

ごめんなさ〜い

 どうもどうも、久方ぶりの裏部長です。本当にご無沙汰をしております。

 べつに書きたくないわけじゃないんですが、最近いろいろと忙しくて、そんでもってここ数日、急に暑くなったでしょう。札幌でもこないだ二日くらい連続で真夏日になったりなんかして、そうかとおもえば今度は最高で二十三度くらいにしかならない日が出てきたりして、まあ簡単に云ってしまえば、かる〜い夏バテですな。裏部長、いまも若干熱があります。

 栃木のT君、コメントありがとうございます。あなたの書く文章はまるでパズルですね。きっと右脳をフルにつかって書いているのでしょう。天才肌の証拠です。

 きょうはちと余裕がないので、明日あらためて書きに来ます。最近、札幌支部で重点的に稽古している「追い突きの新しい着眼点」についても、わたしの表現力のとどく範囲で書いてみたいとおもっております。

 二十四時間ほどお待ちください。
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2008年05月31日

地に足をつける

 こんばんは、裏部長です。またまたご無沙汰ーんでございます。

 最近の札幌は、寒いです。つい数週間前には初夏の陽気ぷんぷんで、いやあもうすっかり夏だなあ、なんて、照りつける太陽を見上げながら云っていたものですが、あれはいったい何だったのでしょうね。いまじゃあ、夜なんか秋そのものです。吹きすさぶ風がつめたい、つめたい。

 そんな中にあって、最近の札幌支部はいくぶんおとなしめです。先日のHTB『イチオシ』における師匠のTV出演から北海道新聞の記事、そしてこのたびはインターネット専門TV「えりすいしかりネットテレビ」に大学での授業風景が公開されるなど、外的な面ではかなり積極的に活動をしておりますが、実際の稽古の場はいささか閑古鳥の棲み処と化しておりまして、コンクリートの床が足裏につめたいきょうこの頃でございます。

 毎週欠かさず、熱心に続けられているのは道新文化センターの「古武術教室」ですよ。数名の欠席者はたまに見られますが、毎回ほとんどの方が出席されて、汗をかきつつ真剣に練習をされています。今週の回でいちおうは天心古流居取之位十二本を教え終わったので、残りの一ヶ月間で復習をする予定です。

 これらの活動に参加しながら、現在の裏部長がとくに気をつけて稽古しているのが、型です。

 なんだ、当たり前のことじゃないか、と云われるかもしれませんが、やはり集中的に稽古をする、または稽古をしたいとおもうというのは、そこに何かしらの契機というか、発火点みたいなものがあるからなのであって、現にわたしにもそういったきっかけがつい先日あったわけで、ぼくは富良野には帰らないわけで(北の国から風)。

 あれは先週の木曜日でしたか。その日の古武術教室ではK先生が欠席されて、わたしと師匠のみの指導でございましたが、こういうときは良い機会で、講習の合間に師匠をつかまえては指導を受けることができるので、わたしは仕事場から直行して道新文化センターへ入りました。
 今わたしが稽古している型は三つ。つまり「二十四歩」「征遠鎮」「十手」ですが、この日はまず、記憶のなかから抜けてしまっていた(つまりは忘れてしまっていた)箇所をいくつか師匠に問いあわせて、それから講習へ。これが午後九時五十分くらいに終わります。

 参加者のみなさんが着替えていらっしゃる間、わたしはここぞとばかりに型をうち、それを師匠に見てもらいました。
 そのとき云っていただいた教えをうけての現在のわたしの型へむかう心情がきょうのタイトルに反映されています。

【地に足をつける】

 どうもまだわたしの打つ型は、足が地についていない。もうそろそろ二段というところに差し掛かっているのだから、たとえば「二十四歩」の前屈立ち、「征遠鎮」の猫足立ち、「十手」の四股立ちなどにおいてはきちっと足腰をしめて、躰そのものが浮つかないようにしなければならない。前屈立ちで重心を移動させるときの膝のやわらかさ、猫足立ちの足首のやわらかさ、四股立ちのときの股間まわりの締まり具合、そういったものをきちんとしてゆかなければ駄目だ、と、わたしは師匠から云われてしまったのです。

 これらのことはすべて腑に落ちました。何故といって、それらはすべて、するともなく自覚していたわたしの弱点だったからです。

 師匠の型を見てK先生の型を見て、それから自分で打ってみたときの型の無様さ、恰好わるさ。それは姿勢や筋肉の塩梅や、ただ単に経験の差だけのせいではなく、やはり肝心なところがきちんと締まっていないがための不安定さだったのでしょう。それを今回、あらためて師匠から指摘され、こんなことではいけないと、一念発起して型の稽古にあたっているのです。

 ですから今週も、たとえば水曜日の空手稽古では、K先生とわたし以外は結局だれも来ずという結果になりましたが、わたしは無音にちかいひとりの教室でもくもくと型を打ってきました。無人の校舎というのも、あれはあれでなかなか良いものであります。

 昨日の稽古は、師匠が欠席されて、参加したのはK先生と韓国人留学生のT君あらためC君だけだったので、K先生の予定にあわせて七時には終わってしまいましたが、来月からはいくらか変化があるでしょう。大学においても、またふたたびポスターなんかを貼りだして門弟を募る予定であるし、なにせメディアへの露出がありましたからね。外部からのアタック、じゃなかった、アプローチがあるかもしれません。

 よい出会いがあることを祈るばかりです。

 なんだか内容のない話で終わってしまいましたが、また近いうちに書きにきます。どうも最近、不精ぎみでね、書き込みが途絶えていたので、今後はすこし頻繁にがんばりたいとおもいます。

 裏部長でした。
posted by 札幌支部 at 21:29 | Comment(4) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2008年05月21日

今度はこちら

 こんばんは、裏部長です。

 本日の北海道新聞の朝刊に、師匠の記事が出たのでご報告いたします。もちろん取りあげられているのは、大学の授業として行なわれている体道についてで、びっくりするほどの大きな記事ではありませんが、カラーの写真なんかもついていて、そこにばっちり師匠の姿も写っていて、それなりに嬉しいものではありますね。

                    080521_203012.jpg


 ケータイで撮った画像なのでなんとも見づらく、申し訳ありません。

 ま、こんな記事だったということでご勘弁ください。

 
posted by 札幌支部 at 20:57 | Comment(3) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2008年05月18日

息づまる10分間に武術家の呼吸を見た!

 二00八年五月十四日。水曜日。札幌の空はあいにくの雨模様で、あたりはすでに初夏の季節だというのに肌寒く、ちらほらとコート姿のひとさえも往来に見受けられる午後四時三十一分。テレビ朝日系列の北海道テレビ(HTB)がおくる夕方の情報番組『イチオシ!』の画面上でひとつのコーナーが終了した。
 足寄町で今月3日にオープンしたという「だちょう牧場足寄湖」を取りあげたそのコーナーは、低カロリー、低コレステロールのヘルシーな肉として注目されているダチョウの肉を紹介し、70歳をすぎて新たな挑戦をはじめた老夫婦の生活を追っていたが、TV画面を見つめるわたしの心はうわのそら。今か今かとその瞬間を待っている人間にとってみれば、正直、ダチョウの肉なんてどうでもいいんだよ、ってなもんです。

 コーナー終了とともに間、髪をいれず、女性アナウンサーの森さやかさんがこう切り出しました。

森「では続いての話題なんですが、日本ではじめて大学の授業にもなった、伝統文化のあるモノがあるんですが、ちょっと話題になっております」

 画面下部にはこんなテロップが出現しました。

【日本初の大学授業「体道」】

 すぐさまVTRに切り替わります。

 映ったのは札幌大学に新しくできた武道場。畳を敷いたその武道場のなかで、浅山一伝流体術上段之位十一本目「行違」を演武するふたりの胴着姿のおとこが……これはわが師匠とK先生です。

 ナレーションが入ります。

ナレ「歴史を遡ること、およそ400年」

 師匠とK先生は「折木」、「猿手投げ」、「衿引」などをつぎつぎに演武してゆきます。

ナレ「体道とは、江戸時代の武士が身につけていた、体術・剣術・棒術などの総合武術のこと」

 場面変わって札幌大学正門から武道場への風景カット。

ナレ「この武術を学ぶことができるのは、札幌大学文化学部にかよう生徒たち。スポーツの文化や歴史など、講義だけではなく実体験を通して学ぶことができるのです」

 空手の其場突きや足まわし、前ささえなどを汗だくになりながらやっている生徒たちの姿。

 ここで師匠のバスト・ショットへ。生徒へ「小手返」を指導している。

ナレ「教えているのは、父を体道の総師範にもつ瀧元誠樹准教授」

 師匠、インタヴュー。

師匠「躰の動き、形というものをきちんと使えば、動きの中から力が生まれてくる。無駄な力を使わなくていいんだということを学べます」

 練習風景多数。がっちりとした体格の柔道経験者が、いとも簡単に倒されてしまう画などが入る。

ナレ「授業では関節技や投げ技など、力を使わずに相手を制するための型を学びます。軽い力で技がきまるお手本に、生徒たちは魅了されていました」

 このあと生徒たちの感想がつづきます。そのほとんどが運動部に所属しているスポーツ・マン&ウーマンたちで、みな真剣かつ愉しそうにからだを動かしておりました。

 と、ここで画面が切り替わります。

 スタジオです。すでに胴着姿となった師匠の左手頸を、MCのヒロ福地さんが右手でつかみにゆきます。
 つかまれるや否や、師匠はヒロさんの右体側へかるく入身し、さっと左手をさしあげると、そのまま「小手取」の要領で腕押さえの状態とし、体勢を崩したヒロさんをそのまま床まで押しつぶし、最終的には転ばしてしまいました。

 CMへゆくには最高の展開ではなかったでしょうか。

 このあとCMがあけて、あらためて師匠の紹介が行なわれ、ひとまず「体道」というものについてのかなりざっくりとした解説を、フリップをつかったかなりあっさりとした説明で終え、そのあとは実践編で、師匠が実際にMCおふたりの手頸をつかんでそれを外させるという、いわゆる「曲げ抜き」のレクチャーへと移ります。
 ご両人がそれを体験したあとは、重りをのせた台車が登場し、これをいかに無駄なちからを使わずに押してゆけるかという、なんだか間延びした話をして、師匠のコーナーは終わってしまいました。わたくしども弟子からしてみると、なんともあっけない、なんとも緊張感にみちた十分間でした。


 これが先日の、『師匠、TVに出る!?の巻』のすべてです。師匠の書き込みにもあったように、TV局側はまず、札幌大学でおこなわれている体道の授業にとびつき、そして師匠の武術の腕前に触れてよりのちには、それを介護の技として使えないかという、どこかで聞いたことのある方面へもってゆこうとしたそうです。それは実際に番組を見ていれば誰しもが気づいたことでしょう。武術を純粋に武術として取りあげてはくれなかったのです。

 ただ、それにしても愉しめたシーンはいろいろとありました。これは放送後に直接、師匠から伺ったお話なので本当のことですが、あの十分間のなかには、実はちょいとしたハプニングが含まれていたのです。

 それは例の、CM入り直前の師匠の「小手取」のシーンです。あれ実はハプニングだったらしいのです。

 事前の打ち合わせによれば、何かしらの技をやってCMへ入りたい、という番組側の要請をうけて、師匠は「猿手投げ」を提案されたそうです。ただ、投げるのはすこし危ないので、MCのヒロさん相手に、技の導入部分だけをおこない、その手をひねって「イテテテ!」と痛がっているところでCMに入りましょうト、そういうことでお願いしますということになっていたらしいのですが、本番では違ってしまいました。
 おそらくね、ヒロさんがテンションをあげてアドリブをかましてしまったようなんですよ。つまり、ただつかめば「猿手投げ」にいけたのに、へんに気合いを入れて「瀧元、覚悟ッ!!」とかなんとか叫びながらその手頸をつかんだ。芝居気をだして、主人公に襲いかかる暴漢のような雰囲気でつかんだわけです。このとき、勢いあまってすこし手前にも引いてしまった。
 その刹那ですよ。そもそも打ち合わせでは「猿手投げ」をすることに決まっていたし、師匠もそのつもりでVTRが切り替わるのを待っていたはずなのに、つかまれた瞬間、からだが咄嗟に反応してしまったのです。つかんで、しかも向こうに引かれてしまっては、どうしたって「猿手投げ」は出てきませんものね。

 師匠もね、動き出したときに「あっ、やばい!」とおもわれたそうです。間違った、猿手投げだった!ついつい相手の動きに反応してしまった!って、瞬間的にそうおもったらしいのですが、CMまでは何秒もないし、もどって技をやりなおす暇もありませんから、仕方なくその流れのまま、「小手取」のような感じで腕押さえをし、そのまま押し倒して投げてしまいました。MCのヒロ福地さんはCMへ入ってすぐにこう云ったそうですよ。

ヒ「先生、技が違うじゃないですか!」

 これ、笑い話のようにおもえますが、実はたいへん奥深いエピソードだとわたしはおもいます。TV番組の、しかも生放送のそのスタジオのなかで、目のまえには数台のカメラ、その向こうには十数人はいるであろうスタッフ、頭上には目が痛くなるほど眩しいライト、胸にはピンマイク。そんな非日常のスタジオのなかにあって、やり直しのきかない一発勝負。もちろん打ち合わせもリハーサルもじゅうぶんに行なわれたとはおもいますが、それにしても、普段とはおおきく異なるその空間にちょこんと置かれてしまっては、きっと誰でも緊張して普段どおりの動きができなくなってしまうはずです。

 そんな状況のなかにあって、師匠は反応したのです。MCの突然のアドリブに動ずることもなく、頭のなかでは「猿手投」をするつもりで待っていながら、勢いよくつかみ、しかも少し引いてきた相手の動きにほとんど無意識のうちに反応して入身をした。その動きはかぎりなく自然で、呼吸の乱れるすきすら見つけられませんでした。今回のTV出演で見るべきところといえば、正直なところあの瞬間くらいではなかったでしょうか。

 この番組は北海道ローカルで、わりかし地味なプログラムですから、はたして午後四時過ぎのあのコーナーを、いったい何人のひとたちが見ていてくれたのか、それはかなり疑問ですが、しかしもし少しでも武術にたいして志をもち、よき師、よき流派を探しているというようなひとの目に触れることができたなら、いくらかは有意義でなかったかなあと、わたしは密かにおもっております。
 この出来事が今後、札幌支部にとっても空心館そのものにとっても良い結果をもたらすように、今はただ願うばかりです。


 裏部長でした。
posted by 札幌支部 at 22:30 | Comment(2) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2008年05月15日

近日公開

 こんばんは、裏部長です。またまた不精をしております。

 師匠からの、これまた久しぶりな書き込みを読んでいただければわかりますが、最近の札幌支部にはこんな感じの変化が起こっております。まあ、これを変化というのか退化というのか、週に一度とか二度とか、そんな回数しか稽古できていない現状はおそらく、あまり褒められたものではなく、奈良のM田先輩から「なに甘えたこと云ってんじゃい」みたいに怒られそうで怖いのですが、とにかく現在の札幌支部はあんな感じです。細細と、臨機応変にやっております。

 ここ数箇月のなかでの大きな変化は、わたしのなかでは二つですね。

 ひとつは、木曜日に〔道新文化センター〕というところで、週に一度の古武術教室をはじめたことです。これは師匠が依頼されて、以前にも講義だけのクラスを持っていたのですが、今年度からは実際に動いてみようということになり、われわれのほうの体道稽古をお休みしてこちらへ伺っているわけです。わたしとK先生も“助手”として参加しております。

 ふたつ目の変化は、昨日のことです。

 そうです。わが師匠が、TVに出たのです!!まあ北海道ローカルで、それにね、これはあんまり大きな声では云えませんが、それほど視聴率の高い番組でもないんです。いわゆる夕方の情報番組ってやつでね、やれ東区にちょいとオシャレな雑貨屋ができただとか、手稲にあるイタリア料理店はなかなか乙だとか、そんな情報を流すあいまに師匠が出演して、あれで正味何分くらいでしたかねえ、CMを一本またぎましたから、トータルでは十分くらいだったでしょうか。それでも弟子としては誇らしい十分間でした。

 この内容については近日中に、まるで実際にその番組を見ているかのように感じられる文章でここに載せたいとおもっております。まあ、それを書くのはわたしですが、ちょいと丁寧に、そのときの模様をお伝えしようと考えておりますので、どうぞお楽しみに!


 昨日の稽古、ならびにきょうの体道講習会に関してもそのときに。


 裏部長でした。
posted by 札幌支部 at 23:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2008年05月07日

春もたけなわ

 こんばんは、裏部長です。またまたご無沙汰をしておりました。

 すっかり春ですねえ……ていうか、もうすでに初夏まっさかりで、札幌でも夏日を記録する日がちらほらと出てきております。桜が咲くのも今年は早かったそうで、さわやかな天候の続くのはとても気持ちのよいものですが、しかしそのぶん夏が怖いんですね。だって五月からこの暖かさですから、そりゃ真夏ってことになりゃあなた、干からびちゃうかもしんないわ。

 ホントに、夏の稽古が楽しみですわ。


 その稽古ですが、きょうも大学で行なわれております。そのはずです。わたしは生憎仕事で行けず、その模様をお伝えすることができませんが、きっと師匠を先頭に、みんな汗をかきかき動いているとおもいます。
 体道稽古に関しては、いま札幌支部では平生とちがったスタイルで実施しているので、わたしはその日の仕事がどんなに押しても参加できるのですが、大学で行なっている空手の稽古はそうもゆかない。とても歯痒い限りですが、こうしてひとり黙然とブログの更新をしてこころを鎮めるしかないわけです。

 しかしね皆さん、嬉しいじゃありませんか。ほとんど書き込むひとがいなくなってしまったこのブログも、栃木のみなさんや技術顧問のT先生たちからコメントを継続していただけているのです。砂漠に降る一滴の雨水みたいなもんですよ、これは。

 T君へ。
 書き込みありがとうございます。そうか、大学は千葉にあるのかあ。そりゃ二時間かかわるわ。
 師範とともに札幌へいらっしゃるという書き込みには目を剥きました。そんなことが実現したなら、札幌支部メンバー一同、平伏して歓迎いたします。へんに期待して催促するみたいになってしまうといけないのであまり書きませんが、そうなることを願っております。
 こちらの「T君」ですが、あのひとはおそらくメタボじゃないとおもわれます。たぶん、そうです。もしアレでしたら、今度会ったときに確認しておきます。

 技術顧問のT先生も書き込んでくだすってありがとうございます。みなさんのその数行の文章だけで、この廃墟のようなページは生き返るのです。


 そんなわけで春もたけなわとなって参りましたが、明日こちらは体道稽古です。雨が降ろうが桜が散ろうが、わたしは参加してきます。
 
 みなさん、風邪には気をつけて。
posted by 札幌支部 at 21:00 | Comment(3) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2008年04月25日

いつも誰かが見ていてくれる

 こんばんは。裏部長です。

 はじめて栃木へ行ったときに、あの日光東照宮の杉がいわゆる「花粉症」発見の地であったことを知り、師匠と「花粉症のひとが来たらたいへんなことになりますねえ」と笑ってしゃべっていたのを数年前のことのように憶いだしますが、そうやって笑って観光していられたのはわたくし自身が花粉症でないためで、安穏としてこの春の季節をたのしく過ごせているのもひとえに非花粉症であるからなのです。街なかでマスクをしてるひとを見かけますとすこしこころが痛みますね。あーあ、ご災難ですねえ、と老人のように会釈をして通りすぎたくなります。

 そんな裏部長、二十五歳。きょうは朝から涙目です。

 いや、もちろん正式にその症状を得た、ということではないのです。昨夜は遅くまで起きていて、録画したきり見ていなかったTVドラマ『薔薇のない花屋』の最終回をみてひとりでオイオイ泣いておりましたから、きっとそのときの水分がきょうもずっと居座ってわたしのドライアイを潤ませ続けていたのでしょう。きっとそうなのでしょう。
 だから、花粉症になっちゃった、とは云いません。たぶん違うとおもうし、違うとおもいたい!だってそうだったらもう栃木に行けないもの!あの、花粉症のメッカとも呼ばれる東照宮のある栃木県に、花粉症にかかった男がどうして行けるでしょうか。自殺行為です。

 ま、たぶん本当に違いますよ。くしゃみや鼻水はほとんど出てないし、涙だってかるく目が潤んだ程度ですから、ホントにもう大丈夫なのです。

 そう思って、がんばって春を乗り切ります。


 ひさしぶりにコメントがありましたね。

 そうですか、T君が大学へ、ねえ。まあそういう年頃ですから進学してもべつにおかしいことはないのですが、しかし片道二時間というのは尋常じゃないなあ。往復で四時間ですよ。アイドルの平均睡眠時間じゃないんですから。かれもよく決意したものだとおもいますよ。
 そういえば最近メールも来てないし、コメントもありませんでしたから、たぶん疲れてるんだろうなあ。季節の変わり目ですから、どうか風邪をひかず、突然の花粉症にも負けずに、またあかるい声を聞かせてもらいたいと願っております。


 ん。なんかおかしいな。アレ、きょうのコメントって…………



 ぬぅおおぉおおぉおおおおお!!!!!



 ま、ま、またまたの奇蹟です!!こんなことがたびたびあっていいのでしょうか!?

 本日のコメントは師範です、空心館の総師範ですよ!!ああ、びっくりした。喜びはときに心臓の鼓動さえ狂わせてしまうようです。

 なんかね、そんな気がしたんですよ。いや、というのもですね、水曜日の空手稽古のとき、K先生たちと師範のことを話していたのです。べつに悪口とか陰口とか、そういう小学生みたいな話ではなく、どんなに離れたところにいても、

「僕たちが話したこと、稽古したことは全部、もしかしたら師範に届いているかもしれないね」

 ということでした。住まう場所がどんなに遠く離れていても、わたしたちがしていることはすべて、師範によって注視されているような気がすると、わたしもK先生も口をそろえてそう云っていたのです。

 その矢先のきょうのコメントですから、こりゃドキッとしないわけには参りません。こういうタイミングの合致は、すこし心臓に悪いですね。

 悪いことはできないものです。でもこれは考え方しだいで、むしろとても心強いことでもあります。
 どんなに離れていても、いつも師範が見ていてくれる。だからこそわれわれも稽古を疎かにできないし、またしたくない。師範や先代の先生方や空心館という看板に恥じない稽古をしたいとおもう。

 勇気が湧きました。花粉症がなんだ!涙目がなんだ!鼻水も涙も、汗といっしょに吹きとばしてやるっ!!


 師範、ありがとうございました。心より御礼申しあげます。
 三進さんの文章、あとでじっくり読ませていただきます。

 T君、通学には気をつけて。


 裏部長でした。
posted by 札幌支部 at 21:40 | Comment(3) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2008年04月24日

指先エンジンと恐るべき空心館ネットワーク

 おはようございます。裏部長です。たまには早い時間帯にも顔を出してみようかと思い、参上しました。お暇なときにお読みください。

 昨日の稽古ですが、なんか数箇月ぶりくらいに、ふつうの稽古をしたような気がしました。基本をやって移動をやって、参加者は元大学院生のH田君や韓国人留学生のT君やK先生で、最後のほうには師匠も遅れて合流されて、約束組手をやって指導をあおぐという、ネ、考えてみればこれまで当たり前のようにやってきた稽古内容ですよ。これを昨日はやったわけですが、ひさしくそのふつうの稽古をしていなかったので、なんだか新鮮な感じでしたね。追い突きをやって師匠からのアドヴァイスを聞いて、とそこへ、去年の三月に大学を卒業し、就職して本州のほうへ行っていた「おすぎ」さんが見学に来られるという嬉しいハプニングもあり、なんかこう今までどおりの愉しいひとときでした。適度な緊張感はありましたが、でもだからといって、なんかこう圧迫されるようなプレッシャーはないんです、いくら傍で師匠が見ていても。むしろその視線が心地よいというか、ああきちんと見てもらえているんだなあと感じることができて、とても気持がよかったのですね。やっぱり稽古は良いものです。

 昨夜、師匠に見ていただいたのは約束組手のみで、わたしとT君とH田君が交互に追い突きをやったわけですけども、それぞれに課題が出されました。
 T君へは受けと反撃について、H田君には攻撃の際の足の運び、軸の運びについて。わたしは、彼らのような後輩と組むときにやるべき微妙な間合いの追い突きとその間合いでもじゅうぶんに入れられるという心構えですかね。とにかくこれまではどんな相手に対しても、足と腰をドーンと持っていって骨盤ぶつけるくらいの覚悟で突進してゆき、突っ込むようにして全力で突くというのをやってきたわけですが、昨夜のように、相手がすべて白帯の後輩だった場合にそれをやってしまうと、彼らにとってよい稽古ではなくなってしまうのですね。こんな突きもあるんやで、見ときや!ってな感じで、からだで教えるためにやることはあっても、普段からかれらに対してそんな突きばかりをしていては、むこうの受けの稽古にならないんです。特に今のうちはこのあたりの配慮が必要なのです。

 そこで、です。かれら後輩たちと組んで組手をする際には、ドシーンと突っ込むことをせず、むしろ浅い踏み込みで、相手がこちらの脇へじゅうぶんに反撃の拳をのばせるような位置で止まること。ただ、きれいに突けてしまう位置で止まってしまうとモロに喰らってしまうので、相手の拳がきれいに伸びて、おっ当たるんじゃねえか、とおもえるくらいのところでうま〜く止まってあげる。全体的にはそれほど素早く、迫力をもってやらなくていいんです、ゆっくりでいい。とにかく間合いのうえで相手にとっては、突けそうでやっぱり突けないというような位置で止まり、それでいてこちらの拳はきちんと届く、そんな距離感をつかんで稽古をするのが今後の課題です。また当然のこととして、その間合いそのスピードでやりつつもきちんと突きは入れられるようにする。ここがむつかしいところではあります。

 こんなことを教わりまして、実際に何度かそれをやってみまして、「おすぎ」さんも傍らに立って真剣なまなざしで見学をしているなかで最後、師匠が統括してお話をされていたとき、わたしはどういうわけか、師匠の足もとに目をむけたのですね。あれはどういう瞬間だったかなあ。とにかく気づいたら師匠の足を見ていたんです、それも左足を。構えたときに前に出ているほうの足ですね。そこへ釘づけになっていたのです。
 これ、ここで書いてしまっていいのかわかりませんが、師匠は追い突きをする寸前に、この左足の指でもって床をグニッとつかむんですね。空心館の門弟であればだれでも一度はやったことのあるあの動きですよ。巻き爪や外反母趾の予防にも効くという、馴れないとすぐに足がつってしまうあの動きです。

 わたしもこのグニッとした動きは以前に何回も稽古のなかでやっておりましたが、それを約束組手のときにつかうという意識はまったくありませんでした。師匠も組手のときにあらためてこの動作を解説することはありませんでしたね。だから意外におもったのです。
 たぶん昨日のあの瞬間も、師匠は追い突きのことについて説明している最中だったので、足まわりは無意識だったとおもうのです。ことさらに意識して足の指をグニッとやったわけではないとおもうのですよ。ということはですよ、あれはすでに突きの感覚のなかに組み込まれているということになります。こういう、自然と組み込まれている師匠の動作の片鱗を見つけたときのよろこびというのは、弟子でなければ味わえないものかもしれません。

 稽古の最後に師匠から「なにか質問は?」と訊かれたので、あっさり白状してこのことを伺いました。師匠のお答えは単純なようで奥深い、感嘆すべき内容でした。

 実は、あれは“エンジン”だったのです。相手へ対してドシーンなりバチコーンなり、どんな速度やタイミングで突いてゆくにしても、前進力というかな、その、突進力みたいなものが必要になってきます。物理的な初速をアップさせるために後ろ足の蹴りだしで飛びだすというのも一案、突く瞬間の左足、つまり構えてたときの前足ですね、このキックでもって躰をぶつけにゆく、というのもひとつの方法です。どちらかといえば、これらが今までわたしたちのやってきた方法だと云えますね。
 ただ、たしかに速度はアップしてもこれらの方法には難があります。はじめの後ろ足の蹴りだしは、勢いはつきますが、動きだしの時点でその勢いを発しはじめているので、そのあとの肝心の突きがからだの突進力に流されてしまって、突いているんだかただ吹っ飛んでいるんだかよくわからない動きになってしまいます。
 最後の押し込みもそうです。ただ構えた状態の前足で最後に床を蹴ってからだを押しこんでも、その足そのものに何かしらのバネといいましょうか、力を発する仕組がないと、どんなに頑張ってもただ足が床を離れるだけで勢いは生まれてこないのです

 だからこそ出る寸前、動き出すその直前にグニッと床をつかむのです。このときほんの数ミリ程度前足はまえに出ます。ここから動きだして、そしてそのグニッとした足の収縮を解放することで突進力を生み出してズババーン!と突きこんでゆくのです。

「これが出来るようになると、浅い間合いでかるく突こうとしても勢いが止まらなくなってしまう。パワーがまるで違ってくるんだよ」

 わたしがまだ白帯のころに師匠から伺った、「本気で突いたらそう簡単に止まらなくなる」というなんとも恐ろしいことばが昨日の稽古でひさしぶりに憶いだされましたね。でも、あんなところに速度アップの秘訣があったなんて、師匠のからだならどんなところでも見ておくもんです。

 昨日の稽古についてはこんな感じです。いつも通りのメニューをいつも通りのメンバーでおこない、みんな笑顔で教室をあとにしました。あんな「いつも通り」がいつまでも続けばいいなあと、そうこころに想いました。

 さて昨夜の記事のなかに書いた『孤塁の名人』ですが、やっぱりこれに関してはまた今度にしましょう。別にたいして話題のあるわけではないんです。ただ、師範がこういった武術関連の本なりDVDなりを察知するのが凄まじく速く、この本は津本陽さんの小説で、あの佐川幸義さんを取りあげたものなのですが、わたしはつい数週間前に書店で見つけて知りました。週に一度はかならず本屋さんへゆくこのわたしでさえつい最近に知って「へえ、こんな本が出てるんだあ」とおもったわけですが、師範はもうとっくにご存知だったのです。そういった発見情報は師匠のもとへも届くらしく、また一方で師匠は師匠ですでにこの本は見つけていたというんですから、恐るべき空心館ネットワークです。日本で発表される武術関連の書籍のなかでこのネットワークから抜け出せるものはきっとないでしょう。まるで蟻地獄です。
 そんな話を聞いちゃったらなんだかわたしも口惜しくなって、この『孤塁の名人』を買って読みましたよ。二日で読みました。なかにはいくつか良い言葉があったので機会をみてここにもアップしてみようとおもいます。

 でもなあ、いつか、こう師範や師匠が「えっ、そんなの出てんの!?」と驚いてくれるような武術関連の本を同師に先んじて読むことがわたしの夢だなあ。アレ、ご存知じゃなかったんですか、なんて、得意げな顔で云ってみたいなあ、一回くらい。

 本屋へゆくのを週一から週三に改めてがんばってみます。

 裏部長でした。
posted by 札幌支部 at 11:22 | Comment(1) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2008年04月23日

あすのまえに

 どうも、裏部長です。

 今夜も通常どおり札幌支部では空手の稽古をおこない、それなりに参加者もあり、師匠も来てくだすって、なんだか本当にひさしぶりの普通の稽古だったのですが、いかんせんもう夜も遅いので、その模様はまた明日書きに来ようと考えております。昨日読了した津本陽さんの小説『孤塁の名人 合気を極めた男・佐川幸義』についてもそのとき書きます。

 不精な裏部長でごめんなさい。

 では、またあした。
posted by 札幌支部 at 23:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2008年04月16日

右腕の腱が痛くなりました。

 こんばんは、裏部長です。お久しぶりでございます。

 札幌はもうすっかり春でねえ、雪はまったく見られなくなりました。まあこの冬は最初から雪が少なかったし、寒さも厳しくなかったから、この雪解けの早さにも頷けるものがありますが、ただその一方で、この春のような、でもまだ少し肌寒いような、中途半端な気候のときはいちばん服装に困るんです、なにを着てもうまく合わない。風が強いから寒いかな?とおもってコートを着てゆけば汗をかくし、陽射しにさそわれて薄着で出たら、帰りは震えて、次の日鼻水、みたいな。
 とにかくこの時期は風邪と花粉に注意が必要です。わたしはいまんところどっちも大丈夫ですが、油断はできません。みなさんも気をつけてくださいよ。


 さてさて、きょうはわたしも久久に大学での稽古に参加してきました。ほとんど数箇月ぶりのような感覚で、すこし緊張すらしてしまいました。稽古には定期的に行っとくもんです。
 師匠は学校の用事で不参加。でもK先生が来てくれましたから安心です。他には、韓国人留学生のT君と元大学院生のH田君のみ。

 T君は韓国人留学生の友人ふたりを連れての登場でした。かれらは二人とも見学のみでしたが、なんだかね、札幌支部には流行おくれの韓流ブームが押し寄せているようです。

 K先生が早退されるというので、のっけから裏部長の先導で稽古スタート!
 基本稽古ひと通り、型、師範から教わった其場でおこなう稽古二種。これをやり終えた時点ですでに午後七時。

 ここでK先生とT君は早退されました。わたしとH田君は居残り練習です。

 残りの時間はずっと約束組手をしました。H田君にはもっぱら突いてもらって、わたしがその注意点などを指摘しました。おもえばああやって誰かのまえに立って構えて、突きを捌いたのも数箇月ぶりだったなあ。

 稽古終了は午後八時。稽古不足というのは恐ろしいもので、突きや打ちのせいで、右腕の腱がすこし痛みを発しておりました。ひさしぶりの稽古でハッスルしすぎたせいかもしれません。不甲斐ない限りであります。


 さてさて、明日は体道稽古です。仕事があろうがなかろうが、どんなときでも参加できる体道稽古です。
 胴着を二日つづけて着られるこのしあわせ。存外、幸福というのは身のまわりに落ちているものですねえ。


 裏部長でした。
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