2006年10月16日

きっとすべてに意味がある

 こんばんは、裏部長です。今朝、仕事へゆくため自宅を出た際、おもむろに息をハァ〜と吐いてみると、なんと白い。今朝のそのときの時点で気温は六度ちょっと。こりゃ寒いはずです。
 そんな秋から冬への直進コースまっしぐらの北海道ではありますが、最近では基本稽古もその回数をそれぞれ増やして、どういうわけか夏のころよりも汗をかいているので、面喰うほどに寒さは感じません。栃木や奈良、秋田などではどうでしょうか。

 さて、毎週月曜日は師匠不在の稽古日です。わたくし裏部長が年長者として稽古報告をさせていただきます。


2006年10月16日(月)晴れ。中学生自殺のニュースにショックを受ける。
 午後六時、札幌大学1002教室にて空手の稽古。参加者は部長、苫小牧出身のH、神奈川出身のKB、学外から参加のOBさん。
 部長先導による基本稽古、手廻し。蹴りなどはもちろん左右六十本づつ。少しづつ馴れてきたような気がする。
 KBのために猫足立ち確認。彼は神奈川でやっていた空手道場にて、平安シリーズ五つなどすでに修得済みで、よって札幌支部では三級の「十六」から本格的に教えるわけだが、この新しい型をおぼえる過程で猫足立ちや手刀受け、各種動作の矯正を行いたい。彼のやる猫足立ちは後ろ足(軸足)があまり曲がらず、よって腰も高い。今回の型では特にこの点を直したいのだ。
 移動稽古(追い突き、逆突き、追い突き・逆突き)。
 型。OBさんは「平安三段」、Hは「平安初段」、KBは「十六」。部長と私はもっぱら指導にまわる。
 OBさんの「平安三段」、ほとんど文句なし。よくまあ久方ぶりにやって来てここまで出来るなと思えるほど完成度高く、あとは四股立ちのときの足の位置とか軸の安定などの細かい点を指導するのみで、私からは云うことがなかった。
 Hの「平安初段」。ようやく手順も覚え、ペース配分もわかってきた。ただ、冒頭の猫足立ちで受けをするあたりの左右がうまく行かない。猫足も若干ぎこちなく、この二つをスムースに行なうことができればかなり良いように思われる。
 KBにはまず「十六」の手順だけを憶えてもらう。そこに隠されている技の内容とか、彼の直すべき箇所については手順を憶えてもらってからすることにし、今日はとにかく反復をしてもらった。
 彼が「十六」を懸命におぼえている間、OBさんと部長には約束組手(中段追い突き)をやってもらう。私もKBを見る間、部長の受けをつとめる。反撃を入れる。部長、これに多少難儀する。イメージとしては、二本目の攻撃が相手の反撃を捌く受けになるわけで、その二本目と相手の反撃のタイミングを合わせるために、一本目の突きをどうにかせねばならぬ。もちろん一本目を疎かにして二本目以降を大事にしてはいけないのだが、かといって一本目をこれまで通りきっちり突いてから二本目を出そうとすると、どうしてもタイミングが合わず反撃を喰らってしまう。その兼ね合い、その躰づかいを修得するのが当面の課題になりそうだ。
 八時、終了。この寒さのなかにあっても部長は半袖姿。鉄人としか云い様がない


 其場突きは百本くらい、蹴りは各種きちんと蹴って左右五十本づつ、というメニューにしてからというもの基本稽古だけで四十分から五十分は使ってしまうので、そのあと移動をするにも型をやるにも約束組手でアツくなるにも時間が足りなくなってしまう。もしかしたら師匠はそのことを考えて、われわれがある程度になったあとはその回数を減らしていたのかもしれない・・・・・・そんなことを今日ふと思いました。ま、推測ですが、師匠はあまり無意味になにかを変更される方ではないので、おそらく全てに意味があるのでしょう。
 ただ基本稽古をきちんとやることはいろいろな面において有意義です。まず体力がつきますし、軸のことも考えさせられます。脱力もできていなければすぐに疲れてしまいますね。そんなことも考えあわせて、当分の間はこのままでいいかな?(後輩たちはどうかわかりませんが・・・・・・)。

 栃木のY先生、コメントありがとうございます。みなさんがこのBlogをお読みになり、わたくしどものことを近しく想ってくださることはこの上なく光栄なことでございまして、むしろ我我のほうこそそんな諸先輩方のお言葉を読むことができて、恐れながら親近感などをおぼえております。
 実はわたくしは師匠の動きを第一に見ながら、ことあるごとに過去のVTR(栃木へ行ったときに撮影したものなど)を見返し、そのなかのY先生の動きを参考にさせていただいております。これは以前に直接云ってしまったことかもしれませんが、わたくしが理想としている動きは師匠とY先生を足して二で割ったようなもなので、Y先生の映像はなによりも参考になるのです。
 ですから、今回のコメントにもあった「力を抜く」ということはその動きから察して、わたくしもすでに日頃の課題にしております。まあ現在のわれわれのレヴェルであまり脱力をしすぎるとかえってふにゃふにゃになりすぎていけませんが、しかしそれでも常にY先生の動きをイメージして稽古に励んでおります。
 改めまして、書き込み、ありがとうございました。

 わたくしの書いたBlogに向けて、師匠、I先生、Y先生という空心館の三羽烏ともいうべき(あまり良い意味でない?)お三方がそれぞれのご見解を書いてくださいましたが、いづれも昨日今日得た教訓ではない、なまなかなものではありませんでしたね。その言葉の端端に若き日からの修行が見受けられるようです。
 札幌支部の門弟諸君はこれらのお言葉を大切にせねばなりません。きっと全てに意味があるのです。師範のお言葉、師匠の歩き方、Y先生の構え方、I先生の呼吸・・・・・どんな些細な動作や教えにも意味はあります。われわれ修行者はそんな小さな教えに目をむけ、常に学ぶようにしなくてはいけません。
 今夜は稽古をしていてもBlogを書いていても、そんなことを想う一日でありました。

 次の稽古は水曜日です。おそらく師匠は不在ですが、気張ってゆきましょう。
 裏部長でした。
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2006年10月15日

寝ても醒めても・・・

 お晩です。裏の部長さんです。いきなりだけど、KAT-TUNから赤西仁が抜けるそうです。ワイドショーでは話題騒然です。理由は「語学留学のため」とか云っておりましたが、どの国へどんな言語をどのくらいの期間勉強してくるのか、留学期間が終了したらグループに復帰するのか、そのあたりのことは一切不明です。事務所側も最初は「来年の三月までの半年間」としながらも結局は「未定」としています。
 怪しいですねえ、こりゃ。
 芸能界というところは表面の商売ですから、基本的にその裏でどんなエゲツナイことをしていようと、一般人たちに見える面さえ立派に勤めていればそれでよいのです。しかし、タイミングが悪くなると今回の騒動のように、それを隠そうとする怪しい言動がわれわれにも見えてしまうのですね。そんな世界で生きる同年代の彼らに心から同情をいたします。

 今日は朝から映画も観ず、これといって何もしない一日でした。したことといえば、TV時代劇をいろいろと見たくらいで、あとはのんびり、ダラダラと過ごしておりました。寝ても醒めても、というやつです。
 明日からの一週間は師匠も参加せぬ淋しい稽古の連続ですが、みなさん頑張りましょう。少しづつ秋から冬の気温になってきて、風邪のひきやすい次期ではありますが、若いんですから、どうにか喰らいついてきてください。

 それでは明日の教室で。
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2006年10月14日

昔日に想いを馳せる

 こんばんは。裏部長でございます。
 栃木のI先生、コメントありがとうございます。札幌支部の門弟諸君はどうか知らないけども、わたくしなんぞはこのI先生やY先生のコメントを待ち望んでおりまして、最近はあまり書き込みがなかったので「アラ、最近どうしたのかねえ」なんて飲み屋のおかみさん風に心配をしておりましたが、久久の書き込みをいただき安心をしております。
 突きに関しては、そうですねえ、奥深いものがあります。ただ単に相手を突く、それも、追い突きで突くといったってその構成要素はたくさんあるわけで、空手をやっている人間はそれを一瞬にして行なわなければならない。まあそれは武術全般にいえるわけで、そう考えると技というのは深い。深すぎますね。段階としてはよく「上には上がいる」と云いますが、技においてはまさに「奥には奥がある」です。
 またI先生のような方でも「相抜け」を修得するのに十年とは驚きましたな。それくらいのものなのです。易易とできるわけがない。
 深みのあるご意見、ありがとうございました。

 しかし、空手だけに限定して考えても、突きひとつからしてそれほど深いんですから、昔のひとたちはどんなに大変だったか知れません。昔、とは、まだ空手という名称がなく、稽古人口も琉球に限られていた時代のことです。この時代の空手は型オンリーですね。基本稽古も移動稽古も約束組手もない。あるのは型の修練とちょっとした部位鍛錬のみで、明けても暮れても型を打ってる。ひとつの型を三年、とかいうんです。現在からは考えられません。
 それでも名人達人たちが生まれてきています。型をやってきただけで、です。もし「名人」という名の段階があって、それがいづれも同じレヴェルだとしたら、現代の名人と昔日の名人とではやっている内容がまるで違うわけですから、基本やって移動やって約束組手やってどうにか名人になっている名人よりも、一生かけて限られた数の型をみっちり稽古しただけで名人となった昔の修行者のほうがよりその深みに達しているような気もしないでもないわけです。まあ、あんまり良い想像ではないでしょうが。
 そんなことを考え出すと、日日の稽古がたのしくも、良い意味で重みを持ってくるような気がします。積み重ねといいますかね、まさしく修行といった感じの稽古が愉しくなってくるように思われます。

 今日は特にこれといって書くことがなかったので、I先生のコメントをもとにダラダラと書きました。
 裏部長でした。明日はまたもあのコーナーが復活?!
posted by 札幌支部 at 19:43 | Comment(1) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2006年10月13日

怖い師匠

 こんばんは、裏部長です。昨夜は結局、その野暮用というやつを片づけるのに午前一時過ぎまでかかってしまいました。まあ、いつもそれくらいまでは起きているので左程に寝不足というわけでもありませんが、何かこう大きな任務を果たしたあとみたいな感じがして、今日一日はどうも緊張感がありませんでした。
 しかし稽古のほうでは元気です。ええ、もうバカな元気。水曜日にすっかり疲れちゃって教訓を得ておりましたから、今日も蹴りは各種左右五十本、受けなんかも前屈立ちの前足がしんどくなるまでやったって驚きません。ヘトヘトになることはありませんでした。進歩というやつです。

 今日の稽古で収穫したこと。

 攻撃:動き出しから突くまでは、躰(おもに拳まわり)に力を入れたり抜いたりしない。そうしているということは、気の流れというか、攻撃の意思が一瞬でも途切れていることになる。
 一本突いてそれを引き、横へ避けた相手へクルッと向きなおって二本目および三本目以降につづける際、向きなおった時点で後ろに重心を置かない。相手へぶつかるくらいに前に立ち、軽く次の攻撃が当たる位置に入る。

 防禦:追い突きに対して、ギリギリまで待って相手を懐によびこみ、寸出のところで前足に重心をのせ、若干沈み気味で躰をかわす。そのときはまるで、前手で刻み突きを突くような心持でおこない、受け終わった瞬間、こちらの前足の膝が相手の前足のふともも裏に当たってその躰を横へ弾くことができるようにする。

 簡単にわけて書けばこんなことでした。何はともあれ、師匠に向かって全力で突いてゆき、一本ならず二本三本と攻撃を展開するような約束組手はエキサイトします。以前はそんな攻防の刹那に師匠が蹴りなどを放ってわたくしたちを驚かせたものですが、今日はいきなり蹴られてもそのまま突っ込んでゆくことができました。
 これも進歩かもしれません。

 今週の稽古は今日でおしまい。来週は月曜日から通常どおりありますが、なんでも師匠が多忙でねえ、もしかしなくても来週いっぱいは不在となるらしいです。
 部長をはじめ、門弟諸君のチカラで頑張って行きましょう。

 それでは良い週末を。裏部長でした。
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2006年10月12日

多忙なんだか閑なんだか・・・。

 こんばんは、裏部長です。こんな時間帯に書き込みをしていることから察してもらってもわかるように、今日の体道稽古へわたくしは参加をしておりません。昨夜急に入ってしまった野暮用のために、やむなく休んだのです。おそらく今はみんな、1001教室で投げたり投げられたりしているのでしょう。稽古を休んだのは久しぶりです。

 師匠の北朝鮮核問題に対する文章には驚きましたね。いや、何が驚いたって、文体が深刻なのです。ああいった文体はふだんの師匠からは感じられません。論文なんかを書くときにはああいった感じになるのでしょうか。
 わたくしとしてはこの問題に対してなにも云うことはありません。というのも、是非を判ずるという意味がそこにはないからです。判断するとかしないとか、良いとか悪いとかいう次元ではないでしょ?小難しいことはどうでもいいんです。

 明日は稽古に参加します。ただ、今日はその野暮用のために、おそらく夜半までパソコンへ向かうことになりそうなので、もしかしたらグロッキーな男になっているかもしれません。
 ま、とにかく明日会いましょう。
 みんな、稽古がんばってくださ〜い。
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2006年10月11日

この軟弱野郎が!!

 こんばんは、裏部長です。今日のタイトルを見て、「アレ、もしかしたら裏部長さんは気でも違ってしまったんじゃないかしらん」と思われた方もいらっしゃることでしょう。
 でも大丈夫です。わたくしは冷静です。冷静沈着な男なのです。このタイトルは、今日の稽古におけるわたくしへの叱咤激励なのです。

 今日は師匠とA君とわたくしだけの淋しい稽古でしたが、後半の刻み突きや追い突きの稽古では得るところが大きく、また久しぶりにミットのようなものを突いてみて触感としての自分の突きを感じることができました。
 ただ残念だったのは前半、基本稽古のほうです。師匠は先週来のわたくしたちの意見を取り入れてくだすって、蹴りなどの本数を左右三十本づつから五十本づつへ(ゆっくり蹴るのを入れると六十本づつ)増やしてくれたのですが、今日のわたくしはやる気というか、モチベーションが非常に低く、体調が悪いわけではないのに躰がよく動きません。正直に云うと、冒頭の其場突きの時点ですでにキテました。
 そのあとはもう惨憺たる有様です。廻し蹴りが終わったころには、本当に吐きそうでした。その波紋は最後の横蹴りに至って、左右の脹脛がつるという老化現象まで引き起こし、わたくしを落ち込ませました。こんな稽古は久しぶりです。
 後半のところで何とか取り戻したものの、あまり良いことではありません。以後、気をつけたいと思います。

 ミットを実際に突いてみての稽古では、刻み突きにおける腰の前進に関して新たな発見あり。また受けのほうでも新たなポイントが示され、あとはやるだけといった感じです。

 明日は体道稽古ですが、今日の二の舞にならぬよう努めたいと思います。

 追伸。基本稽古における蹴り各種では、個人的にはあまり頑張りすぎず、力まないこと、軸・重心の安定を心がけてやるべし!これも今日の収穫です。

 裏部長でした。
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2006年10月10日

嗚呼、嘆きの夜間歩行!

 こんばんは、裏部長です。部長やS呂君、ON君らは学校祭、お疲れさまでした。雨は降るは風は吹くはで大変だったようですが、それでもめげずに売り抜いたのですね。頼もしい限りです。しかし、その結果、部長が病院送りになったというのは心配です。あのひとは頑丈そうに見えてその実かなり繊細な人間ですから、今後の稽古に響かないことを祈ります。

 師匠からは先日のわたくしの書き込みに対する回答を寄せていただきました。たしかに道場差でしょうねえ。うん、それはわかっているのです。ただねえ・・・・・・その道場差というのが、ねえ・・・・・・まあ、その差異がないと各流派、各道場の特色というものがなくなって武術も面白くなくなってしまうし、もし空心館の空手が優れていると知ったならそれは他の同業者に対して誇れることですから、隠し玉のようにして温めておけばよいのでしょうが、う〜ん・・・・・・う〜ん・・・・・・。

 ま、そんな答えの出ない話はまた今度にしてしまって、今日はまたまた映画のことでも書きましょう。稽古のあった日はどうしてもその内で感じた自分の感想のようなものを書いてしまうため、今日のような日にしかそれ以外のことを書けないので、武術以外の文章なんて興味ない!なんてツレナイことを云わないで、どうか最後まで読んでくださいな。

 あっ、そういえば昨夜遅くにようやく小説『アキハバラ@DEEP』/石田衣良(文春文庫 686円+税)を読了しました。映画を観てから読み始めたので、期間としてはかなりかかってしまいましたが、どうにか読了することができました。
 今回は発見がありました。それは、映画やTVドラマになった小説を読む際は、映像のほうを先に見てから読むべし!」これですね。
 よく原作本を読んでから映画を観にいったら全然おもしろくなくてガッカリした、なんて話をよく聞きますが、わたくしにもそんな経験はございます。最近でそんな体験をしたのは、TVですが、TBS系列で放送されていた『白夜行』というドラマがありましたね。山田孝之綾瀬はるか主演の。わたくしはあのドラマが始まる前に東野圭吾さんの原作を読んでしまったのです。
 結果は案の定、ドラマは吐き気を催すほど退屈なものでした。そう感じたのか元からそうだったのかは判りませんが、しかし矢張その方法はおすすめできませんね。
 今回の『アキハバラ@DEEP』は何より、先に観た映画がよかった。それは先日のBlogに書いてある通りで、原作の内容を十分に映画化して成立させていました。つまりそこには視覚的なキャラクターや世界観があるので、それを観てから小説を読むと、イメージがスムースに出てくるんですね。これが読み進めるのに役立ちます。また、小説のほうには出てきて映画では削られているキャラクターやシークエンスを探すのも面白いです。つまり、映画化に際してカットされた部分というのは、削っても本筋には影響のない、本当の意味での無駄なものですから、それが小説にどれほど含まれていたかを知るのはちょっとした映画の勉強になります

 さて、今日わたくしが見てきた映画はまたも日本映画です。タイトルを、夜のピクニック』(日本映画2006)といいます。
 原作は恩田陸の同名小説。主演は、多部未華子石田卓也。脇役に郭智博西原亜希貫地谷しほり松田まどか柄本佑、友情出演風に加藤ローサ。年配者としては嶋田久田山涼成南果歩。監督は『13階段』などを撮った長澤雅彦(今回は脚本も共同執筆しているとか)。
 ストーリーとしては簡単です。ある高校に名物行事「鍛錬歩行祭」というのがあって、まる一日をかけて往復八十キロメートルの道のりを徒歩で行き来する。生徒たちはみな指定の白ジャージを着て、長い列をつくって歩く。なんといっても高校生の24時間テレビみたいなものですから、その間にはいろいろなドラマがある。まあ、ほとんどが恋がらみですけど、彼らの人生と恋路が、まっすぐに伸びる歩行コースに重なって、辛いけど立ち止まるわけにはいかないんだ、みたいな感じにおさまる映画です。

 わたくしの感想としては、最悪。もう心底ガッカリというやつです。みなさんもそうかと思いますが、映画なんてものは開始三分、かかっても五分でその優劣が判ります。逆にいえば、優れた映画は開始五分程度でお客さんの心をガチッと掴んでいるものです
 今日のこの映画は見事に手離しました。あとはもう苦痛の二時間です。久しぶりに途中で寝てやろうかと思ったくらいです。
 まず第一に原作が地味話にすこしも派手なところがないんです。だって、高校生たちが一列になって歩いているだけですから。撮影のアングルもその横顔や前からのツー・ショットないしスリー・ショットということになる。そんな画に動きの出るはずがありません。
 脚本としても、行列は前に進んでくれますが、それにあわせてストーリーも前進させることができていないので、どうしても停滞感で出てきます。これは伊丹十三さんがうるさく仰っていたことですが、「映画は常に現在進行形でなければならない」のですから、そりゃ眠くなるはずです。
 そこでたぶん脚本家は考えたのでしょう。歩いている現在の主人公たちがなにかを見る、誰かを見つめる、それがきっかけで過去のシーンが蘇る。つまり、あちらこちらに回想シーンを入れることで飽きさせないようにしています。これは苦肉の策でしょうが、過去へもどるということは確実に現在進行形ではありませんから結局、停滞です。これはかなり手痛い。
 笑えないギャグ・シーンや、アニメーションといっしょに映るシーンも意図がはっきりせず、観客の集中力を奪っています。
 
 第二の過ちはキャスティングです。この映画はことごとく配役ミスで成り立っています。
 主演の多部未華子さんは魅力のあるひとで、キリリとした切れ長の目が意思のつよさを表していて、それだけはとても結構なのですが、どうも主演という器じゃない。それに監督も彼女をメインらしく撮れていませんから、どうもその他大勢のようになってしまって影が薄くなってしまっています
 もうひとりの主演、石田卓也君はまったくいけません。このひとはどうも眉間にシワを寄せる癖があります。あれはおそらく演技ではないでしょう。もうのべつ険しい目つきをしているのです。たしかに硬派なところのあるキャラクターではありましたが、それにしてもああ毎度毎度睨まれては困ります声もあまりよくありません
 脇をかためる西原亜希さんや加藤ローサさんは、つい先日までフジテレビ系列で放送されていたTVドラマ『ダンドリ!』に出ていたひとで、貫地谷しほりさんは映画『スウィングガールズ』に出ていたひとです。今回のキャスティングではこの貫地谷しほりさんが一番よかった。

 撮影のことに関しては、ただ残念のひと言に尽きますね。
 冒頭、歩行祭のスタート地点である校庭に主人公の少女がやってくる、いっしょに登校した別のクラスの友達とわかれて自分のクラスの集合場所へ歩いてゆく、その途中では実行委員がルートの確認をし、カップルは互いの健闘を祈ってお守りなんかを渡したりし、馬の仮面をかぶって躍っている二人組みもいれば、すぐに男を惚れさせてしまう魅惑の女子生徒があたりの男子たちへお菓子を配っている・・・・・・など、これらのシーンをなんとこの監督はワンシーン・ワンカットで見せました。つまり、主人公が入ってくるところから校長の挨拶がはじまるまでの数分間を一度もきらずに撮影したのです。この手法は黒澤明さんから三谷幸喜さんまで活用しているもので、俳優たちの緊張感を掻き立てる以上に、現実の時間とリンクさせて臨場感を出すことができるのです。
 ブレの少ないステディカムというキャメラでこの長廻しのシーンを見せたわけですが、しかしこれが残念。ただ長く一気に撮った、というだけで、それ以上の凄さがない。むしろ人物が入れ代わり立ち代り動くので観ているほうで気持わるくなるだけでした
 先日、TVでも放映しておりました映画『あずみ』の後半で、上戸彩オダギリジョーがたたかうのを、縦回転三百六十度のキャメラ・ワークで見せたシーンがありましたが、あれも同じ結果です。撮影手法の大変さの割りにさほどの効果が出ない・・・・・・
 名人といわれた噺家の古今亭志ん朝師匠は、

       「奇をてらうのと切り口が斬新なのは違う」

 と云われておりましたが、本当にその通りだと思いました。撮影した当人たちは達成感がありますから、どんなに時間が経ってもそれに気づきませんが、製作した本人たちが熱狂してしまったシーンほど良くないものはないのです

 この作品でよかったところ。多部未華子の涼やかな目、貫地谷しほりの小気味よい声、ラスト、すべての蟠りがとけて皆でいっしょにゴールしたとき、その裏側に書かれている「START」の文字が見えたところ(スタート・ゲートはリバーシブルでゴール・ゲートにもなっている→これはゴールではない、スタートなのだ)、撮影にパナヴィジョンのキャメラを使っていたこと。
 これくらいです。点数をつけるなら、百点中二十点がよいところ。とても、大人料金を払って観にゆくようなものではありません

 今日のような駄作もわたくしにとっては良い勉強になります。悪い例でも一度カラダに通しておくと、あとで自分が同じような場面に遭遇したとき気づきますから。「ああ、このままだとあんなダメ作品になってしまう!」ってね。

 長くなりました。今日はこのへんで。
 明日は空手の稽古です。
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2006年10月09日

嗚呼、哀しき老爺たち

 裏部長です。どうもこのBlogは週末になると書き込み率がさがるようですね。いけません、いけません。毎日のように来ている門弟諸君はわかっているでしょうが、全く関係のないページから飛んできたひとは、長らく更新されていないと知って、ろくすっぽ読まずに去ってしまう可能性があります。不肖裏部長がひとり淋しく不退転の決意でどうにか書き込んでおりますが、もっと皆皆さまにも頑張っていただきとう存じます。

 さて、今日は体育の日。TVでは出雲駅伝をやっておりましたが、スポーツの秋ですね。北海道はもう十分肌寒いですけど、冬になる前のほんとうに丁度より季節です。そろそろ紅葉、といった感じでしょうか。
 今日はこれと云って書くことはありません。朝も遅く起きてダラダラとTVなどを見て、小説の清書などをしただけで映画も観ませんでした。週末恒例の映画評論のコーナーはお休みです。期待していたひとはゴメンね。

 ただ、そうかと云って挨拶のみで終えるのも味気ないので、先日ふと感じたことを書いておきます。

 わたくしは現在、ある警備会社で働いておりますが、諸諸の理由でいまは制服を着ず、ビルの管理業務に従事しておりますが、そのなかで半年に一回「現任教育」というのがあります。これは警備員として働いているひとならば全員が必ず受けなければならないもので、法律でそう決まっているのです(「警備業法」という法律です)。
 警備員に必要な法律の知識、数数の事態を前にしての対処法から実務においての率直なディスカッションなどをするわけですが、その内には当然「護身術」というものもあります。
 教本のなかには主に、素手による防禦と反撃の仕方、護身棒の扱い方、護身杖の扱い方などがございますが(ほとんどが実戦に不向き)、ウチの会社は警備業のみの会社ではなく、また加えて適当な指導者がいなかったために、これまではその稽古を殆どやっておりませんでした。そのせいで起こった事故や事件があまり無かったせいでもありましょう。たいへん無防備な考え方です。
 それが、わたくしは入ったことで少しはその稽古ができるだろうということになり、夏に行われた現任教育ではわたくしが指導官になって空手の抜手術などをレクチャーしました。師匠に教わったとおりに、懇切丁寧に指導をしたのです。
 しかし・・・・・・これが惨憺たる有様でした。
 まず第一に、警備員として働いているひとがほとんど老人であるということ。二十代のわたくしが最年少で、最年長はもうすぐ七十歳というひとです。よって体力がない。集中力がない。本当は解っていないのに教えて五分ほどで「ハイハイ、わかりました」と教授を放棄する。あとは半分ふざけて談笑をしながらの稽古です。いや、あれはただの談笑でした。警備員が聞いて呆れます。もし少しでも格闘技の経験があって、実際にヒトを殴ったことのある誰かがあの老人たちに襲いかかったなら、おそらく誰かは死にます。
 きっと、三人くらいは一撃で死んでしまうことでしょう。

 この顛末をよんだ原因は三つあります。ひとつは、実際の勤務においてそのような護身術を必要とする現場に出遭ったことがないため。ふたつめは、それが故に、わざわざ老体にムチ打って稽古をする意味を見い出せないため。そして三つ目は、指導するこちら側が、彼らのような老人たちにたかだか十分間ほどのレクチャーをしたところで実戦に役立つとは到底考えておらず、最初から半分諦めていたため、でしょう。
 わたくしたちのように週三回から四回の稽古を毎週、真面目につづけていても万全ではないのに、常に実戦の場に立たされる彼ら老人たちにそれ以上の実力をのぞむのは最初から無謀なことではありますが、そういった仕事なのだから仕方ありません。もし本当に護身術をかれらに教えたいのなら、毎週何度かの稽古日を定めて、その練習を続けさせることです。そうしなければ、いつか事故が起きます。

 老いるということはそういった面で非常に辛いですね。まず他人の話を聞かなくなりますから。わたくしも社会に出て、いろいろな人と出逢ううちに、「ああ、こんな大人にはなりたくない」と思う他人がだいぶ出てきたように想われます。
 空心館本部道場の方方には、そんな大人がいないことは不思議でなりません。

 今週の稽古は水曜日からです。
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2006年10月08日

人体を突くということ

 こんばんは。今日も風がつよく、あんまり良い天気ではありませんでしたね。部長たちはそんな今日も大学祭でがんばっており、ご同情申し上げます。師匠も出勤だとおっしゃっておりましたから、日がな一日ヒマにしていたのは、もしかしたら裏部長だけだったかもしれません。

 何だかふと思いつくと、ここ最近のこのBlogではあまり武術的なことを書いていない気がしたので、今日はそんなところを埋めるためにも、まあさして大したことではありませんが、武術に関係したことを書きたいと想います。

 わたくしは師匠のもとへ来るまでは合気道いっぽんで、空手の「か」の字も知りませんでした。拳の握り方はもちろん、足の上げ方や構えの仕方、攻撃の捌き方など、空手の技術に関してはなんら持ち合わせていなかったのです。だから最初のうちはまさに四苦八苦といった態で、毎日アワアワしながら稽古をしていましたが、もう最近はどうにかそのあたりにも馴れ始めて、細かな技の話にも対応できるようになりました。
 そうこうしている間に、嬉しいことにどんどんと後輩たちが増えて、札幌支部も賑やかになってきたわけですが、師匠や部長が不在の際などはわたくしが先導役を買ってでて稽古をします。新人が入ってきたら拳の握り方から蹴りの話、構えと重心の関係から捌き方の理論にいたるまでを、まあ殆ど受け売りですが、わたくしのほうで伝えてしまうことがよくあります。
 そのなかでは一応、師匠の方針を踏襲して、かなりの鈍感人間でない限りは初回の稽古で移動、もしくは約束組手までをひと通りやってしまうのですが、最近その約束組手を指導していて気づくことがあったのです。
 それは「人体を突くということの難しさ」です。これなんぞはとても何気ないことで、空手をやっているひとならば日常、もちろん道場の内だけででしょうが、当たり前のようにしている行為です。ただこれが案外むつかしい。これまで打撃系の武道をやったことのない人ならば勿論ですが、過去に空手の経験がある若しくは現在もどこかでやっているという人でも満足に突くことができないのです
 わたくしはたまに、新人に対して構えを解き、こちらの腹部へ思いっきり突けと云うときがあります。そうすることで相手との間合い、突いたときの衝撃や自分の躰のバランスなどを学べるからです。真面目に稽古をつづけて一年も経つと、もうこちらとしても黙って喰らっていてはキツくなりますが、それまでの新人の突きであればどうってことはありません。たとえ彼らが空手の経験者であっても、です。
 これはどういうことでしょうか
 つい先日入ったばかりの新人二名はいづれも空手の経験者、ひとりは高校で競技空手を、もうひとりはそれより若いころにフルコン系の空手をやっていたそうですが、彼らの突きにはまだまだ耐えられます。何週間とか何箇月とかいった短い期間ではなく、数年間空手をやってきた彼らの突きが屁でもなく、ウチで零からはじめて一年足らずのひとの突きがもう耐えられないほどの鋭さを持っている・・・・・・これは紛れもない事実なのです。

 技術論として、突きというものはどういうものか、そんなことを問うていては限りがありませんが、もっと広い意味で問うて、空手という大きなフィールドにおいて、どうしてこうも突きの精度というものが違うのでしょうか。なにも空心館の自慢をするわけではありませんが、わたくしはここの空手しか知らないもので、どうもその差異がおかしく感ぜられて仕方がないのです。同じ空手なのにどうしてこうもレヴェルが違うのか?わたくしだってまだ初めて三年も経っていません。そんな未熟者の突きがどうして「素人には突いちゃいけない危険な突き」で、わたくしよりも長く稽古しているひとの突きが「黙っていても耐えられる突き」にしかならぬのか?

 みなさんのご意見を伺いたく存じます。裏部長でした。

 
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2006年10月07日

雨に想うこと

 こんばんは。便秘ぎみの裏部長です。みなさん、お通じのほうは如何でしょうか。

 S呂君の悲壮感ただようBlogでもお判りの通り、札幌大学の学校祭は、降りしきる雨と強い風、加えて肌を刺すような気温の低下と、残念な結果となりました。祭りを満喫する前に売り子として活動をしなければいけない彼らは大変だったでしょう。察するに余りあります。

 実はわたくしも今日は午後から大学へゆきました。いえ、大学祭へ行くためではありません。師匠のお誘いで、師匠の研究室で行なわれる研究会へ参加するためです。
 これは札幌大学の大学院、文化学研究所というところの企画で、まあ主として頑張っているのはウチの師匠ですが、方方からいろいろな先生方を読んで貴重なお話を伺おう、というもので、今年のものではこれが二度目の開催になるそうです。わたくしは学問とは縁遠い人間で、また大学院とも関係はありませんが、今回は参加人数が極端に少ないというので、なかば席埋めの役割として呼ばれたわけです。
 とはいえ、わたくしが全く興味を持たずに行ったかというと、そうでもありません。わたくしは小説なんぞを書いてますね。肩書きとしたら「小説家」とか「作家」なんてことになるでしょうが、これらを全てひっくるめると「アーティスト」ということになり、これを日本語へ訳すと「藝人」ということになります。昔から「藝人は乞食袋になれ」と云うように、藝人は自分のなかへは出来うる限りさまざまなものを入れておきたいものなので、わたくしも門外漢だとは知りつつも、恐れず行ってしまったわけなのです。

 感想としては別に幻滅したとか、退屈だった、なんてことはありませんでしたが、恐れていた事態は少なからずわたくしの身体のなかで起こっておりました。
 今回のゲストは奈良の工業高等専門学校のM先生で、テーマは「刑法と近代スポーツ史」。そのお話や文章はとても興味ぶかく理解できて、また今日のお話の前半はかなり愉しく聴くことができたんです。学問を毛嫌いしているわたくしにとっても有意義な時間でした。
 しかし後半からがいけない。休憩のあとは質疑応答です。参加されていた様様な大学の先生方が質問する、師匠のもとで研鑽に励んでいる大学院生のH田君らも負けじと質問をする、その都度M先生がお答えになる・・・・・・こうなるともう、わたくしのような門外漢は気分が冷めてしまいます。「はいどうぞ、そっちで勝手にやってください」という心持になってしまう。彼らがどんなに言葉をとばし、理論を披露しても、それらの声はわたくしの顔前を素通りしてゆきました。
 わたくしは痛感しました。ああ、やはり学問のひととは同じ世界に住めないのだと。自分の知らない世界を知り、そこからさまざまなものを吸収する気で行った人間のその熱意さえも冷めさせる学問の壁は大きいものです。

 大学を出るともう夜で、しかし雨はまだ降っていました。その空を見上げて、ふとそんなことを想った夜でした。
 
 尚、わたくしは学問や学者といった方方を批難しているわけではありません。ただわたくし個人の好みのことを書いているだけで、学問を愛し、学問に生きているからといって、わたくしの文章に腹を立てるのは筋違いというものです。師匠はわたくしのそんな文章の書き方を見て、「もう少し柔らかく書いて、敵を作らないように」と諭してくださいますが、藝人は云いたいことを云い書きたいことを書く人間なので、自分の意見を出すときは遠慮をしません。
 あしからず。
 
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2006年10月06日

彼は本当にアンフェアだったか

 どうも、裏部長です。今日の稽古は、札幌大学の大学祭のためお休みでした。部長やON君、S呂君あたりはその準備に大童になっていることでしょう。
何でも彼らはインドネシアの料理屋台を手伝うそうで、明日明後日と、大学構内で売るそうです。ただ明日の天気予報は雨なんだよね。彼らの商売繁盛のためにも、予報が外れることを祈ります。

 さて、稽古もなかったので、思いついたところを少し書いて今日は終えてしまいたいと思います。

 先日、フジテレビ系列で放送されたTVドラマ『アンフェア』のSP版が放映されましたが、見たひとはいるかな。篠原涼子主演で、原作は秦建日子『推理小説』(河出文庫 590円+税)。警視庁捜査一課の刑事で、検挙率ナンバー・ワンを誇る雪平夏見が、身の回りでおこる数数の殺人事件にいどむクライム・サスペンスだ・・・・・・と云えば聞こえはよいですが、内容はからっきし。TV版では原作にないオチをつけていましたが、すべてが最後の最後で取ってつけたような話で説得力に欠け、あれならば、わたくしが考えていた真犯人のほうが良かった、そう思います。

 ドラマを見ていて、わたくしは「ああ、この流れだとこのひとが犯人だな」と推量をつけました。こういうタイプの話では、どうしても構成の仕方が似てしまい、結果的に同じような位置づけの登場人物が真犯人になってしまうのですが、これは逆に云うと、そのひとが真犯人だとすべてがスッと胃の腑に落ちるということなんですね。見ているほうも納得がゆくのです。
 ですから、わたくしもこの十一本のドラマを見ていて、多分このひとだろうな、という推量はしていたのですが、案の定、さっき思いついたようなエンディングで締まりません。ガッカリです。だからこのドラマのことなんかはすっかり忘れていたのですが、つい数日前、その続編ともいえるSP版が放送されました。
 一応、前作を見ているので、こちらも見てみました。すると、どうでしょう。
 続編のほうで出てくる真犯人が、わたくしの推理していた人だったのです

 あの事件の起こし方や謎の配置、主人公の過去と、彼女にむかって事件が起きているという構図、真犯人を明かしたときの意外性なども鑑みて、やはりあのひとがすべての黒幕だった、と最初からしていればこんなことにはなりませんでした。製作者側はおそらく最初から、十一本の連続ドラマをつくり、そのあと数箇月してから続編のSP版をつくり、さらにその尻を引っぱって映画まで作ってしまおうと算段していたのでしょうが、もし最初の十一本でそこまでを詰め込むことができたなら、今回の三倍、いや、五倍優れたサスペンス・ドラマになっていたことでしょう。

 同じジャンルでしかも同じTV局系列で放送されたTVドラマ『沙粧妙子・最後の事件』(1996.7.12〜9.20水曜九時)と比べれば、そのレヴェルの低さがよくわかります。まあ、当分はこのドラマを超えるものは出てこないでしょうけど。

 真剣に見てくれる視聴者に対して、誰よりもTV側がアンフェアだった。
 こんなオチで今夜は勘弁してください。

 裏部長でした。
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2006年10月05日

ザ・復習

 こんばんは、裏部長です。いよいよ秋ですね。食事がおいしい季節です。しかし、どうも朝の気温が下がるためか、起きるの億劫ですね。わたくしなんぞはどうもまだ学生色が抜けていないようで、仕事をしていてもたま〜にこうダルくなっちゃって、「今日は行かなくてもいいか」なんて料簡を起こしたりする。こればっかりはいけませんね。そのうちにクビになっちまいます。
 ま、そんなことで仕事を休んだことはまだありませんが・・・・・・。

 さて、今日は体道稽古で師匠も来られましたが、参加したのがわたくしの外に部長とON君だけで、ON君は日本伝天心古流拳法居取之位十二本を、部長は同流免許之位十二本をすでに教わっており、そこに来てわたくしも浅山一伝流体術中段之位十二本をやり終えているので、みながみな復習の二時間でございました。
 わたくしは最初ON君につき合って彼の居取之位をやり、部長が師匠と免許之位の復習を終えたころにチェンジして、最後は師匠と浅山の中段之位を復習しました。しかし、この浅山のほうの復習というのは、これと云って間違っているところがない限り、十二本くらいであればポンポンとやって十分もかからないんですな。師匠は技をやる必要がないわけで、とにかくわたくしの方でポンポンポンポン師匠を投げる、押さえる。それだけですから、大変なのは師匠だけでね、わたくしなんぞは技の内容さえ間違っていなけりゃいいってなもんで、そりゃすぐに終わっちまいます。
 最近はほとんどこんな風なので、あとの時間は空手や、また浅山のほうの技の名前と順序を暗記することに労力を費やしております。

 まあ、技がすんなり出来て復習の時間が短く済むのはたいへん良いことですが、あまりこう復習だけというのも退屈で困ります。
 そういうときは、わざと目につくところで昨日の稽古で習った空手の刻みなんかをやるんです。そうすると、師匠も手が空いてますから、「おっ、やってるな」という風に見てくださる。わたくしはそこで此処ぞとばかりに質問をぶつける。師匠は師匠で「待ってました」という風に応えてくだすって、部長たちが天心古流の復習で四苦八苦しているあいだに、もう刻み突きに関してポイントをひとつ授かっちゃった。
 稽古というのはただ教えてもらうことをアテにしていてはいけませんね。知りたいことは貪欲に狙ってゆかないと、師匠も気づいてくれません。
 教室は戦場なのです。

 稽古は来週の水曜日までありません。季節の変わり目です。みなさん、風邪には気をつけて三連休をお愉しみください。
 裏部長でした。
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2006年10月04日

ついに刻む!

 こんばんは。昨夜、おもしろ映像をアップしたのはH君だったのですね。真夜中に見るにはもってこいのものでした。ただ、いくら考えてもあの映像を撮影した彼らの意図がわからない・・・・・・。

 裏部長です。今日の稽古に関しては師匠のBlogを見てください。
 月曜日は調子に乗って蹴り五十本づつ!廻し蹴りは百本!なんて具合に無理をしたためか、今日は太腿のうしろがちょっぴり痛かったです。ただ、百本とは云わずとも、蹴りは左右五十本づつくらいは当たり前にしてしまって、少し足腰の強さと蹴りの精度をあげようとすることは必要かもしれません。みんながみんな、部長のように自宅と大学とのあいだを走って行き来するわけにはいかないんですから。

 気合いの声を出すことに関しては師匠の文章にもあった通り、やはり重要なようです。空手経験者も多くいますし、稽古時間も授業の終わったあとになりましたから、そろそろ始めてもいいかもしれませんね。

 今日は約束組手で刻み突きをやりましたが、わたくしとしては「ついに来たか!刻み突き!」といった気分でした。これまで本格的に刻みを稽古することは少なく、ここ数箇月(もしくは一年以上)はやっておりませんでしたし、また聞くところによると、上段への攻撃自体がかなり難しく、追い突きの初段階もまだ固まっていない人間がやるべきことではないので師匠も控えていらしたのかもしれません。
 それが今日、ほんの少しだけ解禁されました。まあ一応は追い突きを進化させるための一案なのでしょうが、わたくし自身、とても新鮮で、なおかつ右足の蹴り出しの下手さに驚いてしまいました。左足の蹴り出しはいつもの追い突きでやっていますから、意外と馴れてきているのですが、右足はどうもいけません。
 これは今後の課題となりそうです。

 刻み突きがいよいよ稽古のなかにも入ってきて、その内容は次第に深く多彩になってきます。初段補を間近にひかえ、いよいよ身の引締まる想いです。

 奈良のM田先輩、書き込みありがとうございました。興味深いお話ですね。そんな次元のひとたちを思うと、我我なんぞは足下にも、そこから伸びている影の端にも及びません。
 しかし、不思議です。そういった先達たちの莫迦さ加減というか、莫迦話を聞くと、どうしてこうも嬉しくなってしまうのでしょうか。自分の小ささや未熟さを思い知って、どこか恥ずかしく感じているはずなのに、どういうわけか胸を張りたいような心持になる。
 これもまた莫迦への禁断症状なのかもしれません。

 明日は体道稽古で、それを終えると来週の水曜日まで稽古はございません。
 裏部長でした。
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2006年10月03日

莫迦

 裏部長でございます。夜に失礼をいたします。

 人間なにかしらこう趣味といったもののあったほうが生きるのに張りが出る、なんてなことを申しますな。仕事だけじゃつまらない。ね。やっぱりこう、何か精の出せるものを見つけないといけない、というような風潮があります。わたくしなんてえものは意外と無趣味なほうで、第一追いかけてる夢自体がいまは趣味のような状態でございまして、それで精一杯というのが正直なところなんでございますが、しかしこれはまたこれで夢ですから、なんかこう「趣味」と云い切るのが厭なようにも思われます。自分はそんなアマチャンな気持で夢追っかけてんじゃねえんだ!ってなもんですな。なんとも始末に悪い。
 ですから、他に趣味というとやっぱり武術くらいなものですかね。一時期は友人たちとバンドなんぞをやって、ひとりドラムの練習に明け暮れたこともありましたが、今はそれもすっかり億劫になっちゃってやりません。読書や映画鑑賞は日常的にやっていますが、これもまた夢のための勉強ですから。ええ、ホントですよ。わたくしなんかが映画を観ることを「勉強だ」なんて云ったら「ただ遊んでるだけじゃねえか」と怒るひとがいますが、こりゃもう歴とした勉強なんでございます。女の子とのデートで観るとか、週末のお愉しみに観るとか、そんな生易しいもんじゃないんです、ええ。こちとら命がけなんですから。
 
 だから今は趣味というともう武術一本槍、他にはありませんね。ただ、この趣味に関しては気合いが違いますよ。ええ、なんてっても唯一の趣味ですから、生半可な気持じゃないんです。
 まず稽古は極力休まない、これですね。わたくしなんぞはもうとっくに大学を卒業して、一応は社会人というやつになっておりますが、おそらく在校生の門弟よりも出席率がいいんじゃないでしょうか。まあ、札幌支部としてはあまり好ましくない比較ですが、それだけ気合いが入ってるということなんです。
 でもね、こりゃ熱心にやってる趣味であれば何でも同じだと思うんですよ。英会話にしても水泳にしても算盤にしてもね、何でもその道においてこう少しでも究めてみたいなんてことを思ったら莫迦になるしかありません。ネ?もうその道一本。端から見てると笑っちゃうくらい生真面目にやることしかないんですね。わたくしは今日までの稽古を通じてやっぱりそう思うんです。

 そこに来るってえと部長は凄いね。エェ?あのひとは莫迦です。完全なる莫迦ですよ。だって稽古の前に公園の丸太の遊具で遊んでたっていうんですから。しかも一時間ですよ、一時間。おそらく躰を動かすことの大好きな彼のことですから、時間も周囲の冷ややかな視線も忘れて、もう夢中になってやってたんでしょう。あの人にはそういった側面があります。
 でも、莫迦だ莫迦だと云って、馬鹿にしてはいけませんよ。むしろわたくしたちは彼から学ぶべきです。武術に限りやせんが、ある道に習熟しようと思ったら、あれくらい莫迦にならなくちゃいけません。それこそ周りのひとが見えなくなるくらい莫迦になるべきなんです。

 わたくしや部長が、次期部長の候補者不在にいつも不安をもっているのはそこなんですね。つまり、わたくしたちを凌ぐような武術莫迦がいない。これがなんとも心配で、だからこの文章を読んで少しはその気になったあなた、ネ?もっと莫迦になってくださいよ。トントントントン莫迦になって、もう誰の忠告も聞こえなくなるほど武術に浸かってしまってください。

 以上、今日はちょっと落語風に書いてみました。
 明日は空手の稽古。
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2006年10月02日

思いついたらハード・メニュー

 こんばんは、裏部長です。
 今日は師匠のいない稽古日ですが、みんなやる気をもって集まってくれました。まずはそのご報告からいたしましょう。


2006年10月2日(月)晴れ。気づけばもう十月である。
 午後六時、札幌大学1002教室にて空手の稽古。師匠不在。参加者は部長、A、K、少し遅れて久しぶりのOBさん(卒業生という意味のOBではない。これは苗字をイニシャル化したもの)。
 今日は部長の思いつきで、基本稽古をしっかりやろうということになる。以下その内容と回数。
 其場突き。あれで百五十本ほど突いただろうか。
 前蹴り。門弟がまだ私と部長くらいだったころそうしていたように、左右五十本づつ蹴る。
 受け四種。これはいつも通り。
 廻し蹴り。前蹴り同様、左右五十本づつという予定で蹴りはじめたのだが、Aが「過去に五十本以上蹴ったことはあるんですか?たとえば七十本とか」などと口を滑らせたために部長がその気になって、気づけば六十本、七十本と増え、いつの間にか九十本も蹴っていたので、キリのよいところでもう十本づつ蹴り、左右あわせて二百本とした。案外、やれるものである。
 刻み突き。裏拳打ち。これもいつも通り。
 横蹴り。すっかり疲労困憊しているKにその回数を決めてもらう。苦笑いのK、正直をいえば三十本が精一杯だが、流れも考えて五十本!と男気をみせて云う。今日は膝の高さには蹴らず、足の振りあげをやってすぐに腰の高さへ、左右五十本づつ蹴った。
 手廻し。小休憩をはさむ。
 移動稽古。追い突き、逆突き、追い突き・逆突きをあっさりとやる。
 後半は約束組手。まずは部長とA、私とK&OBさんの組み合わせでやる。
 OBさんへは、二本目の突き、つまり左拳による逆突きを突くような心持で追い突き一本を突いてもらうよう指示。Kには、最後の最後まで突かず、ギリギリの一瞬で前の手と突き手を入れ替えるようにしてバシッと突くようアドヴァイスする。
 続いて、私と部長、Kら三人でローテーション。
 部長とは、「スッと入ってパッと突く」をやってから、三本セットの追い突きをやる。両名ともに前者の突き方はいまいち。後者のものに関しては、部長は相手の反撃を喰らってしまう。もっとあっさりと、軽く受けるようにと云ってみるが、どうもまだ感覚が掴めていないようだ。
 私としては何となくでも少しはサマになってきたと思う。あとは師匠に見ていただくだけだ。
 八時、終了。外へ出てみるとなんと雨!Aしか傘を持っておらず、仕方ないのでその傘下へOBさんと私と部長の三人を入れてもらい、新種の妖怪のような動きで帰路につく。


 雨には閉口しました。すっかり濡れてしまいましたが、もっと悲惨なのは大学から走って帰った部長。風邪を引かなければよいですが……。
 いやはやそれにしても今日は久しぶりのハード・メニューでした。廻し蹴りを百本も蹴ったのは今日が初めてであったし、他の蹴りも五十本づつ蹴るのは久しぶりでした。キツいことはキツかったけど、でも、やってやれないことはありませんでした。今度から毎週月曜日はこういうふうにしてみても面白いかもしれません。まあ、参加人数が減る可能性はありますが。
 ただ月曜日の1002教室は部屋の面積も狭いので型もじゅうぶんに稽古できず、移動するにしたって幅がありませんから、どうしても其場での基本と約束組手ということになる。それならば今日のように、基本稽古で一時間を費やすような内容でもよいのではないでしょうか。みんな若いんだから。たまにはこんなメニューにも立ち向かってみましょうよ。

 さて次の稽古は水曜日です。みなさん、天気がよくてもカバンのなかには折りたたみの傘を忍ばせておきましょう。
 すっかり雨に濡れてしまった裏部長でした。
posted by 札幌支部 at 21:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2006年10月01日

いつからか僕は・・・。

 こんばんは。昨夜のわたしの文章が二度にわたってアップされているのは単なるこちらのミステイクで、書いた直後に確認をせず「保存する」のボタンを押してしまったためであります。だからよーく見ると文章の端端がすこしだけ違っています。しかし焦りましたね、押してしまったときは。Blogの恐ろしさを見たような気がします。

 S呂君の書き込みは相変わらず暗いよ!彼は自分のこころに偽りを持ちたくないという、至極純粋なひとで、だから文章を書くときも己の想うがままをその通りに書いているんだ、と云っておりましたが、となるとあの雰囲気こそが彼の性格なの?暗いひとなの?思いつめるタイプ?文章がそれを書くひとによって違うのは当たり前ですが、ちょっぴり心配になってきました。
 彼の書き込みにあった話は例の「スッと入ってパッと突く」のことです。師匠に見てもらった際、彼やわたしは上半身の前進が強く(早く)、部長はその逆で下半身のほうが早い。部長は大学への行き帰りを走ってこなしているひとですから、やっぱりそれが脚力に活きてきているのかなあ、なんて話をされましたが、S呂君はそれを受けて、「自分は足の筋肉を鍛えればいいのか」と考えたらしいのです。
 たしかに、余暇にフルマラソンなどへも出場するような部長に比べたら、私やS呂君は遥かに脚力が弱い。それは確かなことでしょう。しかし、であるからと云って脚力を鍛えればそれで良いかというと、やはり否でしょうね。出すぎている部分や足りない部分があれば、そこのバランスを整えることに集中すべきで、下半身の前進がよわい我我はその感覚の会得を中心に稽古をすればよいのです。部長は云うなればこの逆ですね。
 われわれ現代人はややともするとすぐに附け加えようとします。動きづらい躰の部位があればそこの筋肉を増強しようと考える。これは武術をやる人間として、ときとして取り返しのつかない事態になります。注意したいものです。

 さてさて、今日は休日であったので、例によって映画の話でも書きましょうか。

 今日観た映画は『ポーラー・エクスプレス』(アメリカ映画2004)です。ロバート・ゼメキス監督のフルCGアニメーション映画ですが、これがリアル!リアルすぎて気持悪いくらいです。
 向こうのアニメーションは実際の俳優に膨大な数のセンサーをつけて演じさせ、その動作から表情に至るまでをCGとしてコンピュータに取り込み、それをもとに作品を撮影するので、自然とその造形はリアルになりますが、この映画はそれが異常です。『カーズ』とか『森のリトルギャング』とか、ああいったフルCGのものもかなりリアルになってきましたが、こちらは確実にそれらと一線を画しています。この作品が実写でないと云えるのは、「これはアニメーションであって実写映画ではない」という事実だけです。
 感想としては、かなり良い、としか云えません。いやあ、久しぶりに、夢にあふれた映画を観ました。内容はまだ観ていないひとのために云いませんが、クリスマスとサンタクロースに関するお話で、とにかく幻想的。適度な笑いや良いテンポで訪れる冒険シーンが心地よく、一時間四十分ほどの時間が、まさしく夢のように過ぎてしまいました。面白かったです。

 この映画の主人公は、ようよう「サンタクロースなんて実在しない」ということを認識しはじめた少年です。イヴの夜、プレゼントを置いていってくれるのは、赤い帽子と大きなからだの赤ら顔のおじさんではなく、寝る前におやすみのキスをした両親なのだ、ということを悟ってしまったのですね。両親はそれを「子供の時代が終わったんだ。大人になったんだよ」と喜ぶが、しかし当の少年はどうもすっきりしない。当たり前ですね、いわば裏切られたわけですから。長年、無邪気に信じていたことが偽りであったと知ったときの落胆といったらありません。これは私たちも同感できることです。
 ストーリーとしては、そんな状態に陥ってしまった少年が、真夜中、突然現れた列車「ポーラー・エクスプレス」に乗って北極点を目指す。同年代の子供たちとの交流、冒険、信頼、夢。たった数時間の列車の旅が、少年に夢と希望と、そして信じることを教えてゆく・・・・・・というもの。

 これを観ていて私もすこし考えてしまいましたよ。我我はいつから夢を夢として見なくなってしまったんだろう、と。
 だってそうでしょ。現在、いい歳してサンタを信じているひとも、それは子供のころに本気でそう信じていた度合いの信心深さじゃないはずです。一応、現実の話として、そんな御伽噺みたいなひとはいない。これを認識した上で、いやでもそういう夢は持っていたい、年に一度だけでもそんな夢に浸ってもいいじゃないか、という風に思っているはずなんです。子供のころのように純粋には考えていないはずなんです。
 ではどうしてそういうふうに考えなくなったか。答えは簡単です。ほかに考えることが増えたからです。学校のこと友人のこと恋人のこと成績のこと将来のこと自分の躰のこと家族のこと就職のこと人間関係のこと出世のこと給料のこと年金のことマイホームのこと生活費のこと子供の教育費のこと両親の老後のこと両親の死後のこと、自分の死後のこと。それら沢山の現実的なことを考えなくてはならなくなった大人たちは、子供のときの本当の純粋さを捨てて生きてゆくしかありません。それが人生なのです。

 ただ、それでもやっぱり、どこかにそんな気持は残しておきたいですね。 そう。サンタクロースを信じ、クリスマスの朝、夢のような包装紙につつまれている大きな箱のプレゼントにとびついた、あの日のようなウキウキする心の笑顔を。

 明日からはまた新たな一週間。金曜日の稽古がない以外は通常どおりの日程です。
 裏部長でした。
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2006年09月30日

スッと入ってパッと突く!

 こんばんは。裏部長です。わたしの自宅の近所に新しくできた北海商科大学はすごいですよ。なんてたってまずコンビニが地下にあるし、地下鉄の出口は構内にあるし、教科書などを売ってるのが紀伊国屋ですから、末恐ろしい私立大学です。札幌大学もそういうふうになりませんかね。

 さて、今日は土曜日最後の稽古でした。師匠も部長も不在ながらどうにかやってきたので、そのご報告をさらっとやります。


2006年9月30日(土)雨のち曇り。久しぶりにして最後の土曜日稽古。
 午後六時過ぎ、札幌大学1001教室にて空手の稽古。参加者は新人のT田、K、御馴染みのS呂。ちなみに、昨日と同様、開始時間を「六時過ぎ」としているのは、教室へ最初にやってくるのが私であり、その到着時間が六時すこし前なので、用意などをしているうちに時間が減ってしまうためであって、師匠や部長、他の後輩たちがいるときにはあまりないことである。
 今日から空手にも参加するKはT田同様、師匠の体育の授業を受けているため、細かな説明は省いて進めてしまう。
 基本稽古ひと通り。K、其場突きに関してはどうも突く前に拳を胸の前へ出し、そこから斜めに前へ出すような癖がついており、それを指摘。蹴りでは重心の前後への移動を注意する。
 手廻し。
 移動稽古(追い突き、逆突きのみ)。Kはやはり突きの軌道が、孤を描く足の動きとおなじようになっており、また力みもある。それを感じてもらうため、メニューを少なくした。
 後半は約束組手。まずはS呂とT田、私とKで組んで中段追い突き。
 Kに対して与えたアドヴァイスとしては、踏み出す足の着地点、その移動における躰のバランス、きちんと足を地につけてから突くということ、引き手、突きが横へ流れてゆかぬよう気をつける、相手の背中の皮を突くような心持で突く、など。彼は過去、フルコンタクト系の空手をやっており、その道場ではどうも妙なルールで、先輩に対しては相手が防具をつけていないときに本気で突いてはいけない、なんて決まりがあったらしく、そのせいでどうも本気を出しきれないようだが、ウチでは無意味な慣習である。彼ら初心者の本気の突きをモロに喰らったところで私たちは平気である。そんなレヴェルに四苦八苦する段階ではないのだから、できる限り思いっきり突け、と指示する。
 最後は昨日同様、四人でローテーション。S呂には近間で構え、スッと入ってパッと突く追い突きをやらせ、私もそれをやりつつ、通常どおりの追い突きでは彼に反撃を入れてもらい、それを捌きつつ三本目を入れる稽古をする。
 八時、終了。S呂と談笑してから散会す。


 T田は高校時代に競技空手、Kは高校よりも前の若きころに町道場でフルコンの空手をやっていたらしいが、昨日と今日の稽古でわたしが見る限り、良い意味で、それらの過去と今後への影響はあまり考える必要がないように思われた。懸念すべきはそこから染みついた癖であり、T田はそうでもないが、Kのほうは突きの軌道がかなりズレているので、これを早早に矯正する必要があるだろう。あとはおそらく、すんなりとウチの空手に入ってゆけると思う。

 S呂も私も課題にしている、「スッと入ってパッと突く」はなかなかに難しい。彼もいろいろ難儀しており、わたしもそこへ自分の思いついたことなどを提示するくらいしかできなかったが、イメージとしては互いに悪いものは持っていないと思う。つまり、後ろ足のキックとそこから来る威力を膝へ伝え、そこから前に出て、足・腰・突きを同時に出す。すべてを一瞬に。
 あとはやりこむのみだ。

 三本目を突くほうは、現在のわたしのイメージで良いような気がする。つまり、二本目の受けなども重くやらず、三本をパッパッパッと軽く連続して出すようなリズムをキープする。三本目を突くのではなく、気づいたら勢いにまかせて三本目が出ていた、という雰囲気を目指すのだ。
 これは次週、師匠に見てもらいたい。

 しかしまあ、新人は来ているのに、彼らの先輩たる門弟諸君が今日はS呂君ひとりとは情けないですなあ。校内に部員募集のポスターも貼ったことだし、これからは新たな門弟が来る可能性だってあるんですから。彼らに追い越されぬよう精進しなければいけませんよ。
 札幌支部の憎まれ役、小姑のような裏部長でした。
posted by 札幌支部 at 22:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

スッと入ってパッと突く!

 こんばんは。裏部長です。わたしの自宅の近所に新しくできた北海商科大学はすごいですよ。なんてたってまずコンビニが地下にあるし、地下鉄の出口は構内にあるし、教科書などを売ってるのが紀伊国屋ですから、末恐ろしい私立大学です。札幌大学もそういうふうになりませんかね。

 さて、今日は土曜日最後の稽古でした。師匠も部長も不在ながらどうにかやってきたので、そのご報告をさらっとやります。


2006年9月30日(土)雨のち曇り。久しぶりにして最後の土曜日稽古。
 午後六時過ぎ、札幌大学1001教室にて空手の稽古。参加者は新人のT田、K、御馴染みのS呂。ちなみに、昨日と同様、開始時間を「六時過ぎ」としているのは、教室へ最初にやってくるのが私であり、その到着時間が六時すこし前なので、用意などをしているうちに時間が減ってしまうためであって、師匠や部長、他の後輩たちがいるときにはあまりないことである。
 今日から空手にも参加するKはT田同様、師匠の体育の授業を受けているため、細かな説明は省いて進めてしまう。
 基本稽古ひと通り。K、其場突きに関してはどうも突く前に拳を胸の前へ出し、そこから斜めに前へ出すような癖がついており、それを指摘。蹴りでは重心の前後への移動を注意する。
 手廻し。
 移動稽古(追い突き、逆突きのみ)。Kはやはり突きの軌道が、孤を描く足の動きとおなじようになっており、また力みもある。それを感じてもらうため、メニューを少なくした。
 後半は約束組手。まずはS呂とT田、私とKで組んで中段追い突き。
 Kに対して与えたアドヴァイスとしては、踏み出す足の着地点、その移動における躰のバランス、きちんと足を地につけてから突くということ、引き手、突きが横へ流れてゆかぬよう気をつける、相手の背中の皮を突くような心持で突く、など。彼は過去、フルコンタクト系の空手をやっており、その道場ではどうも妙なルールで、先輩に対しては相手が防具をつけていないとき本気で突いてはいけない、なんて決まりがあったらしく、そのせいでどうも本気を出しきれないようだが、ウチでは無意味な慣習である。彼ら初心者の本気の突きをモロに喰らったところで私たちは平気である。そんなレヴェルに四苦八苦する段階ではないのだから、できる限り思いっきり突け、と指示する。
 最後は昨日同様、四人でローテーション。S呂には近間で構え、スッと入ってパッと突く追い突きをやらせ、私もそれをやりつつ、通常どおりの追い突きでは彼に反撃を入れてもらい、それを捌きつつ三本目を入れる稽古をする。
 八時、終了。S呂と談笑してから散会す。


 T田は高校時代に競技空手、Kは高校よりも前の若きころに町道場でフルコンの空手をやっていたらしいが、昨日と今日の稽古でわたしが見る限り、良い意味で、それらの過去はあまり考える必要がないように思われた。懸念すべきはそこから染みついた癖であり、T田はそうでもないが、Kのほうは突きの軌道がかなりズレているので、これを早早に矯正する必要があるだろう。あとはおそらく、すんなりとウチの空手に入ってゆけると思う。

 S呂も私も課題にしている、「スッと入ってパッと突く」はなかなかに難しい。彼もいろいろ難儀しており、わたしもそこへ自分の思いついたことなどを提示するくらいしかできなかったが、イメージとしては互いに悪いものは持っていないと思う。つまり、後ろ足のキックとそこから来る威力を膝へ伝え、そこから前に出て、足・腰・突きを同時に出す。すべてを一瞬に。
 あとはやりこむのみだ。

 三本目を突くほうは、現在のわたしのイメージで良いような気がする。つまり、二本目の受けなども重くやらず、三本をパッパッパッと軽く連続して出すようなリズムをキープする。三本目を突くのではなく、気づいたら勢いにまかせて三本目が出ていた、という雰囲気を目指すのだ。
 これは次週、師匠に見てもらいたい。

 しかしまあ、新人は来ているのに、彼らの先輩たる門弟諸君が今日はS呂君ひとりとは情けないですなあ。校内に部員募集のポスターも貼ったことだし、これからは新たな門弟が来る可能性だってあるんですから。彼らに追い越されぬよう精進しなければいけませんよ。
 札幌支部の憎まれ役、小姑のような裏部長でした。
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2006年09月29日

初心に返る必要はない

 どうも裏部長です、こんばんは。昨日は久方ぶりに受身をたくさん取ったためか、今日はどうも頸が痛くて困ります。もしかしたら「肘押取」の際に、必要以上に頸へ力が入ったためかもしれませんが、どのみち未熟でございます。

 昨夜、というか今朝というか、部長の書き込みにはどこか寂寥の雰囲気がありましたね。しかし、あれは気にすることじゃありませんよ。役職としては正真正銘かれが部長であり、その仕事もきっちり(ま、たまに昼寝をしすぎて来ないこともありますが)こなしています。ただ、前部長であり、稽古年数も年齢も上であるわたしが常にその場にいるため、その上下の関係性がなくならないので、たとえば師匠が不在の際の稽古の仕切りなどはどうしても裏部長である私がやることになり、そんなところから「一応は部長の・・・・・・」という言葉が出たのだと思います。
 ただそれだけのことです。気を落とすことはありません。

 またON君の禁煙問題ですが、以前にも書いた通り、彼はやれ腎臓が痛いだの胃の腑が苦しいだの肩が外れただのと、終始どこかに疾患を抱えているようなひとなので、実は高校生のころから続けているという喫煙をやめさせようと我我が立ち上がっているのですが、長くつづけて習慣化してしまった中毒はそうそう簡単には治まらず、結局ズルズルと現在も進行中なのであります。
 ただ彼は漢(おとこ)であります。その心意気でもって「今月中にやめます!」と宣言しました。今はその言葉を信じるよりほかに道はありません。
 これだけ云っておけば大丈夫でしょう。

 さて今日は師匠&部長も不在ながら真面目に、コツコツと稽古をしてきたので、そのご報告をいたしましょう。


2006年9月29日(金)晴れ。今日と明日は師匠不在なり。
 午後六時過ぎ、札幌大学1001教室にて空手の稽古。参加者は、昨日より参加の新人・T田、苫小牧っ子のH、神奈川っ子のK。
 基本稽古ひと通り。T田はここでの空手稽古は初回ながら、師匠の体育の授業でそのほとんどを経験しているため、細かな説明は省いて一度ざっと最後までやってしまう。それほど大きな指摘点はなし。
 手廻し。これは授業でやっていなかったらしく、丁寧にやる。
 移動稽古。追い突き、逆突き、追い突き・逆突き。追い突きに関しては、T田には孤を描いて出す足の動き、その際の両拳の向き、足を出し終えてから突く、などのポイントを与え、Hには構えの重心(膝の曲がり具合)について指摘し、Kには引き手と腰との密着について進言する。
 後半は約束組手。内容は中段追い突きのみに絞る。
 まずは私とT田、HとKで組み行なう。T田、どうしても手が先に出てしまうため、まずは足を大きく相手の内側へ差し入れ、着地してから腰をつかって突くよう指示。これだけで大分ちがってくる。
 受けに関しては、前足の位置を変えない、浮かない、重心は前足に乗せたまま動く、前手はほとんど遣わない、構えた状態でもうすこし半身にきる、など。
 最後は全員でローテーション。わたしはHへ突いてゆき、彼には強めに反撃(逆突き)を入れてもらう。これを、先日教わったように、二発目となる左手で受け、すぐさま三本目の右順突きを入れる三本セットでやってみると、これがなかなか巧くゆく。要は腰の使い方とタイミングなのかもしれない。
 Kはなかなか良くなってきた。突いたあとの右へのブレを少し直したい。
 Hは、二本目の出てゆきそうな一本だけの追い突き、これを大いに習得し、しかるのち二本目を放てるようになりたい。
 八時、終了。


 今日のテーマは「初心」です。わたしの尊敬するある人は、「人間、初心に返ることはできない」と云いました。これをわたしも今日の稽古で気づくことができたのです。
 つまりはこういうことです。
 今日のT田君のような新人に技の内容や動作の意味を説明する際、自分が師匠にそうされたように、つまり自分の初心者時代を「自分はこんな言葉で説明されたなあ」と想い出して、それを用いて行なうことが多いかとおもいきや、そうでもないのですね。現に今日、追い突きで踏み出す足はどうして相手の構えの内側へ入れるのか、という話をしたときに、私は少少小難しいことを持ち出して説明したのですから。
 攻撃するほうもそれを捌くほうも、どちらも相手の内側を取りたい。何故なら、急所はそのほとんどが躰の内側にあるからだ。だから、突く際も足は相手の構えの内側へ入れる。
 わたしはこんな説明を初心者のころにはされませんでしたし、もしされたとしても、空手をはじめて間もなかった私には理解できなかったでしょう。
 しかし、今日のあのときの私は、それを説明するのにはこの話がもっともわかりやすいだろうと判断したのです。まあ、これはT田君自身がどれほどそれでもって理解してくれたかによりますが、つまりは、何事においても進歩は止まらず、変化は終わらないのですから、人間たるもの精進をしている限り、初心へは返れないということなのです。

 しかし、そうかと云って初心を失ってはいけません。すべては心から始まるのですから、初心は忘れてはいけません。

 なんだか書いているうちに取りとめもなくなって支離滅裂となってしまいましたが、結局のところ、本日の稽古で新人にいろいろと自分の語彙で説明をした際、現在いる自分の考える内容でもって説明できたため、なにも初心に返って自分がそう教わったとおりにしなくても内容は伝わる、ということを云いたかったのです。
 長長すみません。

 明日は最後の土曜日稽古。
posted by 札幌支部 at 23:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 裏部長の日記

2006年09月28日

稽古のあとのカステーラ

 こんばんは、裏部長です。今日は体道稽古で、ひとりだけ浅山一伝流体術に進んでいるわたしは、中段之位十二本もすでに終えてしまっているため、終始後輩たちの相手をしました。いやあ、受けを取り続けるというのも大変なもので、普段はあまりない疲労感をおぼえつつも、受身のよい稽古になりました。
 しかしまあ指導というのは難しいもので、なんてことはないアドヴァイスでそれまで出来なかった技が急にできるようになったり、逆に、細かいところを指摘してあげるとかえって動きが硬くなるなんてこともあって、復習につき合うといろいろ学ぶことがあります。今日のことでいえば、A君がどうも「小手取」という技で難儀をしていたので「自分の躰よりもまず相手の腕をきみの右太腿へ持ってゆくようにしてみたら?」とアドヴァイスしたところ、たちどころに出来てしまった、なんてことがありました。教えることとは不思議なものです。

 当の自分の稽古としては空手のほうの追い突きでしょうか。昨夜の稽古では、S呂君や部長にくらべ自分が突いた回数の少ないことを思い出し、後輩たちが技をノートへ記しているあいだにちょっとだけ指導を受けたのですが、これがなかなか、簡単なものではありませんでした。
 短い間合いでスッと突く場合、これまでの要領でやると、初動の後ろ足のキックが躰をすこし上へと浮かしてしまうため、そこでタイミングのロスができてしまいます。これは、キックしたことによって生じた勢いが腰のほうへ上がってしまうためで、要はこれを前へ前へと利用すればよいのです。とまあ、わかってはいても出来ないのが武術の常。今日は師匠の教えとその動きを食い入るように見て、頭のなかに焼きつけるだけにしておきます。ただ少しだけヒントを掴んだ気がするので、これは明日明後日あたりに試してみたいと思います。

 本日の稽古終了後、A君から差し入れをいただきましたが、これがなんとも優雅。だって、武術の稽古終わりにカステーラでございますからね。もう、気品に満ちております。できればお紅茶などをおテラスに出て召し上がりながら、おフランスのお話でもして愉しみたかったのですが、いかんせん私立大学の午後八時ですから、そんな酔狂なマネもできず、ボロボロと教室内へカステーラの滓をこぼしながらみんなで食べました。久しぶりに食す洋菓子の味はまさに「カステーラ」でございました。
 A君、ありがとう。

 さて、明日と明後日は師匠がおりません。でも、稽古はあります。土曜日に稽古するのは今週が最後なので、みなさん、こぞって参加してください。
 裏部長でした。
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