2017年06月10日

突きがあるから

 こんにちは、裏部長です。

 大変ご無沙汰でございます。



 2017年も折り返し地点を迎え、札幌では雨降る肌寒い六月、みなさまいかがおすごしでしょうか。





 いきなりですが、上半期に起こった札幌支部の変化をいくつかご紹介!


 まず、稽古場所が変わりました。ここ数年は、二号館の地下にある比較的広い、そのうえ使用されていない教室がありまして、普段つかわれていないということは机や椅子などを片づけた状態のままで置いておけるということなので、とても楽でして、冬あたたかく夏涼しいという、なんとも快適な空間だったのですが、今年の四月から新たに展示室として生まれ変わると言われ、場所替えを余儀なくされたのです。


 それで、結局どこへ行ったかといえば、わたしが師匠のもとへ入門した当初から、二号館などへ移るまでずっと使用してきた、一号館の地下教室に舞いもどったのです。古巣に帰る、というやつです。


 久方ぶりに訪れた日はなんとなく懐かしさと、そして淋しさがありましたね。


 わたしたちがつかっているのは一番奥の教室で、そこへ行くまでには、三つほど教室が連なっているのですが、そのすべてがいまは授業で使用されていないというのです。少子化のせいなのか、何かほかに理由があるのか知りませんが、机や椅子が雑多に積み上げられ、物置のようにさえ見えるそれらの教室たちは、わたしが学生のころなどはふつうに講義でつかわれていましたからね。時間の流れというのは残酷なものです。





 そして、第二の変化は、Hさんの来札です。


 栃木の高校生だったHさん。あちらでは本部道場で研鑽を積み、高校の空手部でも活躍をし、しかし大学進学に際して、武術への熱情衰えず、最終的にはわが師匠が教授兼副学長として在籍する札幌大学へとやってきたHさん。力士とお米が好きなHさん。靴下が嫌いで、年中裸足でいるHさん。


 本部道場経由とはいえ、札幌支部に常時女性の稽古者がいるのはとても珍しいことで、近年は婦人部と称して、太極拳などを学ぶグループができましたが、空手や体道をメインにする人は、これまでひとりもいなかったのではないでしょうか。


 Hさんはほんとうに稽古熱心で、空手、体道はもちろん、その脇でおこなわれる中国武術の練習や道新文化センターでの古武術講座にも参加して、飄々としながらもつねに武術と触れあっているような人です。


 そしてそのとき、見せてもらった体道の資料の、写真のなかの師範のお若いこと!

 人に歴史あり。その歴史の道の上にわれわれは立っているということを痛感させられました。





 大きな変化といえば、この二点くらいですかねえ。


 Hさんが何気なく打っている型を見て、こちらでやっている型と違い、その差異は何かと調べたら、そもそも動作自体が変更されていたなんてことを発見する夜もあれば、体道のなかのたったひとつの技に目が集まり、数十年前にはこのかたちだったものが、T技術顧問経由でこういった変化があたえられ、現行これだけのヴァリエーションがあるというような学びにいたる夜もあり。


 そして、空手には突きがある。その突きを昇華させてゆく過程で生まれる感覚、育まれる肉体に技が寄り添う。突きがあるから、その突きに対する受けの技がある。受けの技を深めてゆくからこそ生まれる感覚、育まれる肉体に体道の技が呼応したりする。これは空心館にいるからこそできる稽古。ここにいるからあふれる想い。



 この広い世界のなか、長い歴史の上に立って生きながら、そんな特徴のある武術を稽古しているという自覚をもてるようになった裏部長でした。

 
日本武術研究所空心館札幌支部TOPへ
posted by 札幌支部 at 12:58 | Comment(0) | 裏部長の日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: