2017年11月11日

鉱脈

    部屋に暖房を入れる季節となりましたなあ〜





 おはようございます。裏部長です。


 長らく更新を怠っていましたが、わたしも札幌支部も、みな元気にやっております。

 夏が終わり、すっかり肌寒くなって今日までのあいだに、すでに何度か雪が降りました。もちろん、まだ積もるほどではありませんが、最高気温がひと桁という日があたりまえになり、吐く息も白いです。



 みなさま、いかがおすごしでしょうか。





 さて、まずは最近の札幌支部についていくつか。


 紅一点Hさんが栃木から来られて札幌大学の学生となり、札幌支部でともに稽古をはじめてずいぶん経ちました。彼女はわれわれのほうと合わせて空手部の練習にも参加し、定期的に試合へも出場しているので、大変だと思いますが、当人はどこ吹く風で、いつも飄々とたのしげに顔を出してくれます。


 栃木で、Y師範代のご子息Tくんに接したときにも思いましたが、ほんとうに空手が好きで、心から武術を愛し、稽古している人というのはこういう風に生きられるものなのだなあと、わたしなどは日々人知れず驚いている次第です。単に若いというだけではないエネルギーを感じます。



 十月からはさらに、中国からのお客さまも加わりました。


 Rさんといって、向こうの大学で武術を教えている方です。半年の期限つきで札幌大学へ来られて、武術の伝承について研究をされるということで、師匠のもとで日本の武術にも触れたいと、最近はほぼ毎回稽古に参加されています。


 空手も体道もともにやり、Rさんからは中国の養生体操や武術の動きを教わります。いわば武術の異国間交遊、駅前留学ならぬ、教室内武術的留学です。


 その動きの多彩さもさることながら、三十代後半であそこまで武術を知り、理解し、研究しているRさんには感嘆するばかりです。打てば響くように、訊いたそばからこたえてくれる、見せてくれる、提供してくれる師匠のような存在はじつは稀で、わたしたちはそんな師匠に学んでいるせいか馴れてしまっていますが、あのようにふだんの会話のなかで提示された疑問やテーマ、質問に対して臨機応変に回答をするというのはなまなかなことではないのです。Rさんはそれをやっていらっしゃる。いるところにはいるものなのです。





 そして、去る十一月三日から五日までの三日間、札幌支部は奈良遠征へ出かけてきました。


 今回の参加者は、師匠とそのご子息おふたり、札幌大学のIさん、紅一点Hさん、そして今回が初参加の大学四年生Kくんとわたしの七名。いつにない大所帯で伺いました。


 初日の金曜日は奈良支部の通常の空手稽古に混ぜていただき、M田さんとM井さんに手ほどきを受けました。わたしは、奈良支部の道場へ来たことはありましたが、通常の稽古に参加するのははじめてだったので、新鮮でした。基本も移動も札幌支部にはないメニューが多く、それでいて約束組手は、受ける側が固定される本部道場式ではなく、札幌支部でも採用されているローテーション式でと、なんとも言えない折衷感がありました。


 M田さんと組手で本格的に向き合うのはおそらく、M田さんが札幌へ来られたときに大学の教室でおこなった稽古が最初で最後、今回が二度目でして、M井さんとははじめてでした。厳しさと個性。しかし、それらは決して押しつけがましくなく、気づかせてくれる時間でした。ここが空いていると上段を突かれてしまうよ、ここを疎かにすると蹴りが入るよと、ことばではなく動きで示してくださったような気がしました。



 二日目は午前中から。


 少年部の稽古に混じり、動いていると、全日本体道連盟のT技術顧問が来られました。そこからは技術顧問につきっきりで指導をしていただきました。


 わたしが同氏にお会いするのは今回が三度目です。過去二回の稽古で、断片的に指導をされたことはありましたが、きちんと正式に教わるというのはやはり今回がはじめてでした。


 技術顧問は指導内容のレジュメを手ずから作成され、人数分プリントアウトまでしてきてくださり、九時すぎから昼食をはさみ午後四時半まで、みっちりたっぷり教えてくださいました。


 あまりに濃いものを大量に嚥下したため、お腹も頭もいっぱいいっぱいで、M田さんいわく「もうゲロ出てんで」ということでしたが、たしかに、そのときは消化できない量のほうが圧倒的に多く、戸惑ってしまいました。ただ、札幌へ帰ってきてあれこれ反芻し、その動きをふたたびやってみたり、師匠と話してみたりするうちに感じてくるものや見えてくるものなどもあり、有意義な稽古だったといまは言えます。


 指、骨、体道の技の再検討、一受必殺。



 おしなべて、空心館は個性ぞろいで、ふつうの人はほとんどいませんが(どちらかというと裏部長がいちばんまともなような気が……)、その個性に圧倒されて、受け入れるいとまもなく、拒絶反応を示して切り捨ててしまう気持ちは大いにわかります。


 しかし今回の遠征を経て気づいたのは、諸先輩方は、それぞれが数十年かけて研究し、見つけ、考えに考え抜いた結果であるところの技やそのエッセンス、要点を教えてくださっているのであって、これはじつに大変なことなのですね。われわれ学ぶ側の人間は、多少消化不良でも、多少ゲロが出てしまっても、考えすぎて脳髄が鼻から垂れてきたとしても、ちょっとのあいだ堪えて、冷静に、真剣にそれらと向きあってゆかねばなりません。


 それが義務だと言うと堅苦しくなってしまうし、辛いでしょう。


 たのしむことです。それがほんとうにたのしめるようになったとき、触れたものが沁みこんでくるはずです。



 奈良支部のみなさん、T技術顧問、このたびはお世話になりました。ありがとうございました。


 これからどんどん寒くなります。みなさまお体はじゅうぶんご自愛ください。



 裏部長でした。

posted by 札幌支部 at 11:02 | Comment(0) | 裏部長の日記